マンチェスター・ユナイテッド大学

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【19/20PL】シーズン・レビュー~戦術編~【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

今回は19-20プレミアリーグ、シーズン・レビュー第2弾として

各セクションごとにユナイテッドの戦術面

を振り返っていきます。

ストーリー編はこちら

manchesterutddaigaku.hatenablog.comかなり長い記事になってますので時間のある時に読んで頂くか、2回に分けて読んで下さい。

以下項目です。

①使用フォーメーション

19-20シーズン、スールシャール監督は主に4-2-3-1のフォーメーションでプレミアリーグを戦いました。38試合中32試合で使用。84.2%の割合です。そしてもう一つは3-4-1-2システムです。リーグ戦では4試合で使用(10.5%)。対シティ、チェルシーリバプールに2回というように、ビッグクラブ相手に使ってきました。他には3-4-3(vsシェフィールド)と4-3-1-2(vsエヴァートン)を1回づつ使っています。

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19-20 フォーメーション4-2-3-1

ロックダウン明けの試合では100%(リーグ戦)4-2-3-1で戦っています。ピッチをワイドに使い、攻守のバランスを取りやすいこのシステムをスールシャールは好んでいます。3バックシステムは強豪相手には有効でした。3トップのチームにはわかりやすくハマりますし、リトリート・ディフェンスからのカウンターを繰り出しやすいシステムです。

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19-20 フォーメーション3-4-1-2

来シーズンも基本的にはこの2つのシステムを使うのは間違いありません。今シーズンで基礎固めはできたので、来期はより洗練させたいですね。

②ディフェンス

失点・・・36(3位)
xGA(被ゴール期待値)・・・38.06(3位)
クリーンシート・・・13試合(4位タイ)

総合的なディフェンスの数字は上記です。ほぼ順位表通りの数字と言えますが、被ゴール期待値の38.06はリバプールの39.57を上回っています。18-19シーズンの失点数が54でしたから、かなりの改善に成功したシーズンとなりました。また全コンペティションでのクリーンシートは26試合です。これは欧州五大リーグの中では最多の数字。個人的にも守備面に関しては合格点をあげられます。

最大の貢献はやはり夏に加入した新戦力の2人、マグワイアワン=ビサカでしょう。キャプテンも任されたマグワイアは、ディフェンス全体に好効果をもたらしました。特筆すべきは空中戦の強さ。空中戦の勝率は73.9%でチーム1位。2位はリンデロフの66%でした。昨シーズンのスモーリングも73.8%の勝率を誇っていましたが、勝利数でいうとマグワイア176回に対してスモーリングは90回です。今シーズンマグワイアの加入により、ゴール前で跳ね返す回数が格段に増えたという事です。そしてマグワイアの空中戦は敵陣でのセットプレーでも威力を発揮します。

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さらにマグワイアはボールプレーにも優れたCBです。ロングフィードは正確ですし、パス成功率も88.5%でチームトップ(15試合以上出場選手で)。本数2519はぶっちぎりのトップでビルドアップの起点として大きく貢献しました。

ワン=ビサカは昨シーズン、バレンシア、ヤングなどを起用して不安定だった右サイドの守備を劇的に改善しました。ワン=ビサカのタックル数129回はリーグ1位(2位はヌディディの128回)。90分当たり2.08回のスライディング・タックルを繰り出しています。さらに90分当たりのディフェンシブ・アクションの成功回数が13.25/90分となっていてこちらもリーグトップです。再開後は少しコンディションが落ちましたが、今シーズンの守備面での貢献は計り知れません。

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マグワイアのパートナーはリンデロフ。空中戦に強いマグワイア地上戦に秀出たリンデロフのコンビは補完性も抜群でした。ボールを持って上がることも多いマグワイアの背後のスペースをケアするため、リンデロフは下がり目のポジションを取り、背後を狙う相手フォワードを追走する役割を果たしました。再開後のパフォーマンスは守備陣の中では最高でしたね。

左SBのショーは、リーグ前半は怪我で出遅れましたが、復帰してからは戦術面でのキーマンになります。ショーの偽サイドバックの動き(ポゼッション時にボランチの位置に入る)はポグバやマティッチなどの本来ボランチの選手を押し上げるのに貢献し、左ウィンガーが幅をとった時にはショーがインナーラップでチャンネルに走り込むのに適した戦術となりました。ビルドアップ、ポゼッション、崩し、ネガトラすべての局面でショーの貢献は大きかったです。 

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LSBショーのポジショニング

チーム全体の守備としては、ハイプレスネガティブトランジッションに進化が伺えました。さらに再開後はビルドアップの意識が変化しています。後ろからしっかり繋いでいこうとしているのが見て取れます。

ミッドフィールダー

出場時間(時間を試合数に換算)
ボランチ
フレッジ・・・24試合
②マクトミネイ・・・19.7試合
③マティッチ・・・17.6試合
④ポグバ・・・13.4試合
【トップ下】
ペレイラ・・・16.5試合(ポジションは不問)
②ブルーノ・・・13.2試合(冬加入)
③リンガード・・・10.4試合(ポジションは不問)
④マタ・・・8.4試合(ポジションは不問)

怪我人もあって最も安定しなかったセクション。ボランチから見ていくと開幕当初のファースト・チョイスはポグバとマクトミネイでした。ポグバが自由に動きマクトミネイがバランスを取る役割で、まずます機能したコンビでした。しかしポグバが負傷離脱してからはフレッジ、マクトミネイのコンビに。2人とも運動量の豊富なタイプで、特に強豪との試合で真価を発揮するコンビでした。しかしビルドアップと攻撃面では貢献度が低く、カウンター戦術には向いてても、ポゼッションからの崩しになると不満が残る組み合わせでした。

その後マクトミネイも負傷し、フレッジ、マティッチのコンビになります。そして再開後はポグバ、マティッチの2人に。マティッチのカバーリングコーチングがポグバに良い影響を与え、攻守両面でポグバがプレーしやすくなりました。また、マティッチのビルドアップ時にCBのポジションに落ちる動きは、ショーを押し上げる重要な戦術的要素になっていましたね。この2人がレギュラーに定着してシーズン終了となりました。

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マティッチのCB化

このようにボランチの戦術面は選手の個性によるところが大きく、どういう対戦相手に対してはどの組み合わせが良いのか吟味する必要があり、タレントはいるけれどユニットとしての完成度はあまり高くないのが現状です。

さらにシーズン前のボランチの課題は、ポグバに多くの責任が負わされていた事にありました。6番8番そして10番としてもプレーする事が求められ、敗戦の責任を負わされるのでメンタル的にもきつかったと思います。

その状況を変えたのがブルーノ・フェルナンデスです。彼の加入により、ポグバの仕事はシンプルになり、前に出ていってブルーノとダブルトップ下のような形で相手に脅威を与える事ができ、結果ユナイテッドの引いたブロックを崩せないという課題を解消しました。

そのトップ下はシーズン前半、ユナイテッドが上手く得点数を伸ばせなかった要因の一つです。ペレイラが使われることが多かった前半戦。ライン間で受ける動きとプレッシングは及第点でしたが、プレッシャーを掛けられるとプレー精度が落ちるため、チャンスメイクできませんでした。さらにリンガードも不調の波から抜け出せず。マタは限定的にトップ下で出ましたがもともと味方を使うプレーよりも、使われるタイプで機能しませんでした。

この状況を変えたのもブルーノ。2月からユナイテッドに来てアシスト7(チームトップ・タイ)キーパス34本(2位)は脅威的。守備も献身的にこなし、中盤の問題を一気に解決する文字通り救世主となりました。

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フォワード

得点・・・66(5位)
xG(ゴール期待値)・・・66.19(4位)
シュート総数・・・544(4位)
枠内シュート数・・・216(4位)
PKでの得点・・・10(1位)

総合的に見ると、得点数に関してはチェルシー、レスターも下回っており物足りない印象。実際1月末(ブルーノ加入前まで)までの得点数は36で6位の成績で、前半は得点力不足に悩まされたとシーズンとなりました。

開幕当初の3トップは中央に9番を託されたマルシャル、左にラッシュフォード、右ジェームズという並びが多かったです。ラッシュフォードはウィンガーというよりはワイド・フォワードの役割をこなし、ジェームズは縦への突破の意識が高いウィンガーでした。しかし、マルシャルが4節に負傷。離脱してからはラッシュフォードがトップ。左ジェームズ、右ぺレイラという布陣。これが機能せず得点力不足で勝ちきれない試合が続きます。マルシャルが復帰する9節までわずかにレスター戦の1勝でした。

マルシャル復帰後は、ラッシュフォード、ジェームズのユニットは成熟していき、特にこの3人のスピードを活かしたカウンター戦術は大きな武器となります。ジェームズは9節から20節までで6アシストしており、ブルーノが来るまでチームのアシスト王でした。

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しかし攻撃の中心はやはりマルシャルとラッシュフォードの2人。この2人はそれぞれ17ゴールを上げ、アシストもラッシュフォード7(1位)、マルシャル6を記録しています。この2人のキャラクターもあり、ユナイテッドの攻撃戦術の特徴は左偏重になっています。ユナイテッドは左からのシュートが30.35%を記録していて、ヨーロッパの5大リーグでこの数字を上回るのは6チームだけです。またピッチを5レーンに分けた時の左2つのレーンで見ると62.39%になります。さらにユナイテッドのゴールの内24.07%が左からのシュートによるゴールです。このように極端な左偏重の攻撃はユナイテッドの特徴の一つです。

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左サイドのオーバーロード

しかし、逆を言えば対戦相手は左側を閉めてしまえばユナイテッドの攻撃を止められるので対応は簡単です。それもあって右WGが補強ポイントになっているわけです。右にも強力なタレントがいれば、ラッシュ、マルシャルがさらに活きてきますからね。ただグリーンウッドの台頭はかなりのインパクトがありました。リーグ戦10ゴールの成績は立派です。来シーズン彼が右WGのファーストチョイスになる可能性もあります。

そしてブルーノ加入後は、ブルーノも左サイドにサポートに行き、左のオーバーロードに加担するシーンも多かったですね。この3人が近い距離で崩しのコンビネーションを使う事は後半戦の大きな武器になり、引いたブロックを崩すのに効果を発揮しました。ブルーノ加入後14試合で30得点と、得点力を大幅に向上させた事がわかります。

今シーズンの得点の特徴のもう一つはPKの多さでしょう。10ゴールは2位のチェルシーの7ゴールを3つ上回ります。PKの獲得自体は14回あり、VARの恩恵を一番受けたクラブと揶揄されたりもしますが、それだけフォワード陣がスピードのある攻撃をボックス内で仕掛けた事の表れだと思います。さらにブルーノという優秀なPKテイカ―の加入も大きな要因の1つですね。ちなみにPK失敗の4回の内訳は、ラッシュフォード2回、ポグバとマルシャルが1回づつです。

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👿まとめ

19-20シーズンの戦術面をセクションごとに振り返りました。守備面の安定も、崩しの質の向上も補強により改善してきたことがわかります。逆を言えばスールシャールの戦術面がやはり選手個人の能力に依存するところが大きいという事。この辺りをもう少しゲームモデルなりプレー原則なりを整理して、誰が出場しても一定のクオリティになるようにしていって欲しいです。スタメン組と控え組の差が大きいのはこの事も原因があると思います。

なお、もう少し戦術面に関して詳しく知りたい方は

開幕前の戦術考察のこちらの記事と

note.com

シーズン終了間際の戦術考察記事

manchesterutddaigaku.hatenablog.com

 

を読み比べて頂けると参考になると思います。

長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました!

 

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