マンチェスター・ユナイテッド大学

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【20-21PL第7節】アーセナル戦に見る中盤の課題~ポグバのベストポジションはどこなのか?~

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

プレミアリーグ第7節 ホームでアーセナルと対戦したユナイテッド。

伝統の一戦で注目度の高い試合でしたが、両者なかなか決定機を作れず盛り上がりに欠ける展開に。後半ポグバがボックス内でベジェリンを倒してしまいPKを与えてしまします。このPKをオバメヤンが決めてアーセナルが先制。その後、守りを固めたアーセナルを崩すことができず0-1で敗れました

試合の詳細はユナイテッド公式をご覧ください。

www.manutd.com

今回はこの試合で見えたユナイテッドが抱える中盤の課題について書きたいと思います。

以下項目です。

👿ラインナップ

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ユナイテッドvsアーセナル ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:ヘンダーソン、トゥアンゼベ、ウィリアムズ、ファンデベーク、マティッチ、マタ、カバーニ
アーセナルルンナルション、ムスタフィ、ジャカ、セバージョス、メイトランド=ナイルズ、エンケティア、ぺぺ

①中盤の機能不全(前半)

前半シュートわずかに1本。トータルの枠内シュート2本。ゴール期待値0.39と見せ場なくアーセナルのPKの1点に敗れ去ったユナイテッド。つい3日前のCLライプツィヒ戦の快勝が嘘のような低調なパフォーマンスでした。

この試合の敗因は、アーセナルのプレスが素晴らしかったことや、アルテタ監督の立てたユナイテッドのビルドアップ封じとブロック守備、ユナイテッドのインテンシティ、スピード、アイデア不足など様々あると思いますが、最大の要因は中盤の構成です。

ライプツィヒ戦の成功に味をしめ、この試合も中盤をダイヤモンドにして臨んだユナイテッド。パリ戦の後半やライプツィヒ戦でも採用したシステムで、強豪チーム相手に有効であることは実証されていました。

ただアンカーのポジションは3試合とも違った人選。パリ戦はマクトミネイ、ライプツィヒ戦はマティッチ。そしてアーセナル戦はフレッジという風に...。もちろんフレッジをアンカーにした事でバイタル・エリアを広範囲でカバーできるという守備面でのメリットはあります。しかし、組立の場面でフレッジを起点にすることは、彼の視野の広さやミドル、ロングのパス精度という面で良いアイデアではありませんでした。

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マグワイアやリンデロフがボールを持つとアーセナルの両WG、オバメヤンウィリアンサイドバックへのパスコースを消しながらアプローチに来ます。そしてアンカーのフレッジにはトップのラカゼットが背中でマーク。SBへパスを出したとしてもすぐに両WBのサカとベジェリンが迎撃に来て前を向かせませんでした。

その窮屈なビルドアップを打開するためにCB間にフレッジを落として起点にしますが、簡単に出せるところは全部蓋をされている上に、難易度の高いブルーノやラッシュフォードへの縦パスはフレッジには難があります。まずはアンカーにフレッジを起用したのは失敗だったと思います。ライプツィヒ戦のようにインサイドハーフ(IH)の方が縦への推進力も発揮できたでしょう。

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ユナイテッドのビルドアップ(前半)

さらに大問題だったのはマクトミネイ。私はマクトミネイが大好きですが、ガナ戦のマクトミネイは酷かったです...。ユナイテッドのビルドアップで唯一フリーになれるのはマクトミネイでした。マッチアップするエルネニーはブルーノも担当している上に、マクトミネイを掴まえに前へ出るには少し距離もありました。アーセナルはラカゼットやオバメヤンがマクトミネイもケアしていましたが、基本的にはフリーなのでボールを出しやすいポジションに移動したり、マーカーを引っ張って味方をフリーにしたりする必要がありました(何度かSBの位置に出て試みてはいますが...)。しかしそういった動きをほとんどせず、所定の位置のまま動かなかったマクトミネイ。前半のビルドアップ不全の大きな要因でした。

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ポグバはIHとして攻守両面での働きが期待されました。しかし前半はかなり高い位置を取ることが多く、マッチアップするトーマスに自らマークされに行っているのかと思うほど(笑)。アルテタ監督は間違いなくトーマスにポグバ番を指示していたと思いますが、ポグバの高い位置取りは全体のバランスも崩す結果にもなっています。ポグバが高い位置を取る事でブルーノが左に流れることが出来なくなり、また組立のパスの出しどころもポグバが遠いために難しくなっていました。前半の20分過ぎごろから降りて来て組立に加わる素振りも見せますが、トーマスの必要なマークに悩まされ続けた前半となっていましたね。

このように前半は3センターが全く機能できませんでした。CLと同じシステムでも人選と与えられているタスクによって上手くいかないという課題を浮き彫りにしていたと思います。

②ポグバ封じと選手交代のミス(後半)

中盤ダイヤモンドが失敗だったと悟ったスールシャール監督は、後半開始と同時にポグバを左WGに出した4-2-3-1にシステムを変更します。これによりポグバをトーマスのマークから解放し、ベジェリンとマッチアップさせることに。その結果ショーがベジェリンから解放されて高い位置に侵入することができ始めます。後半開始と共にユナイテッドは幅を使って前進することができるようになり、アーセナルを自陣に押し込みます。

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なのでこの修正は正解だったという事ができますが、アルテタ監督は1枚上手でした。ボール保持の場面でベジェリンを1レーン内側に入るように修正。いままでハーフスペースで仕事をしていたウィリアンを大外に出します。この結果ショーは大外にピン止めされ、ポグバがベジェリンに対応する中で元のIHのポジションに強制送還されてしまいます。

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アーセナルのポグバ封じ(後半)

そしてこの流れからポグバがボックス内でベジェリンを倒してPKへと繋がっていきました。もちろんボックス内でのポグバの対応は軽率で、守備の技術不足をまたしても露呈したのは間違いないのですが、その背景にはアルテタ監督の修正による影響があったこともまた事実です。

後半の失策は(中盤の)選手交代です。後半の62分にフレッジを下げてマティッチを。75分にブルーノを下げてファン・デ・ベークを投入しています。ビルドアップの質の向上と守備面のインテンシティ―を上げること。そして攻撃面でのスピードアップの為にワンタッチ・ツータッチのパスでリズムを作る事が必要と判断してのマティッチとファン・デ・ベークの投入は理解できます。しかし交代で下げたのがフレッジとブルーノというのは疑問が残ります下げるべきはマクトミネイとポグバではなかったかと...。

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中盤のメンバーの中で最も機能していなかった2人を残した采配は謎です。マティッチとフレッジボランチでブルーノを左WGという配置もあったと思います。無力化されたポグバより、ブルーノを左に置いた方が状況を変えられた可能性がありますし、前にボールを運べないマクトミネイよりフレッジの方が推進力はあったはずです。

以上見てきたようにユナイテッドの中盤は、

システムと人選、与えられる役割において最適解が見つかっていない

という課題を抱えています。今回のアーセナル戦だけではもちろんありません。対戦相手との相性と、選手個々のパフォーマンスにもムラがあり、CLのようにハマって上手くいく試合もあれば、そうでない試合もあります。安定した成績が出せない大きな要因がこの中盤の構成にあるのではないでしょうか?

 

そして特に起用法が定まっていなのがポグバです。

 

③ポグバのベストな起用法は?

その能力は間違いなくワールドクラスであるポグバですが、昨シーズンの怪我での離脱以降ユナイテッドでその能力を存分に発揮しているとは言い難いです。

昨シーズンの終盤、ユナイテッドが14戦無敗を続けた時はマティッチと4-2-3-1のダブルボランチを形成し、これがベストな布陣だと思われました。低い位置からビジョンの広さとキック精度で前線の3人にスピードのある攻撃を提供し、攻め上がってはブルーノとダブルトップ下でファイナルサードを攻めるポグバは、大きくチームに貢献しました。

しかし今シーズン、開幕からこの布陣が機能不全に陥ります。ポグバ自身、コロナの陽性反応で出遅れ、コンディションが整わなかった事もありますが、ポグバのところは狙われる事が多く、組み立ての場面でボールをロストすることも...。ダブルボランチの一角としてプレーするにはCBに掛かる負担が大きく、彼がボールを失うリスクはフルバックが上がることを躊躇する要因となっていた為、4-2-3-1でのボランチ起用はベストとは言えません。

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深い位置のプレーメーカーであるポグバですが、コンディション面と守備面の不安から先発を外され、最近になってスールシャール監督は4-3-1-2の中盤ダイヤモンドでポグバの位置を見つけたかに思われました。しかしこの形は明らかにチームの攻撃面で幅が足りていなく、ポグバ自身も真ん中とサイド両方をケアする必要があり、負担が大きいのが気になるところ...。

4-2-3-1のボランチや4-3-1-2のIHがダメならポグバのベストの起用法はどれなのでしょうか?私が推薦するのは2つ。

まず1つは4-3-3の左IH

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ポグバの起用法(4-3-3)

文字通り攻撃と守備の中間ポジションになりますが、最近のユナイテッドの4-3-1-2のIHとは異なり、WGがいるのでにサイドまで気にする必要がありません。またボール保持の場面では10番としてプレーする事も可能。ただこのシステムのデメリットはトップ下がないのでブルーノを使えなくなる事と、守備の強度を考えると、1アンカーによりボールハントに長けた選手が必要になる事。マティッチではカバー範囲が狭いですし、フレッジではデュエルに弱いです。そういった意味では現メンバーでは難しいシステムかもしれません。

もう1つは

3-4-1-2のボランチです。

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ポグバの起用法(3-4-1-2)

これならポグバの後ろにCBが3枚控えている上に、サイドの攻守もウィングバックが担当してくれます。ポグバが最も得意とする深い位置でのプレーメイクが可能で守備の負担も少ない起用法だと思います。

このシステムのデメリットを上げるとすれば、スールシャール監督はこのシステムを強豪相手に使うオプションのシステムと捉えている事。頼れるウィンガーがいない現状、このシステムが一番しっくりくると思うのですが...。もっと多用してほしいシステムです。

👿まとめ

中盤の持ち駒を十分に活かし切れていないスールシャール監督。中でも最も能力の高いポグバのポジションで試行錯誤している様子が伺えます。

「能力は高いのに使いづらい…。」

それが今のユナイテッドでのポグバです。

ポグバだけでなく、どのような中盤の構成がベストなのか?アーセナル戦はその構成の問題がモロに出てしまい、ほとんど中盤が機能しませんでしたね。もちろんアーセナルのキーマン潰しの戦術も素晴らしかったですが、「対策されたら勝てません」では...。

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ユナイテッドvsアーセナル スタッツ
出典:プレミアリーグ公式

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試合結果
出典:ユナイテッド公式

ちなみにポグバの4-2-3-1の左WGというアイデアは悪くなかったと思います。特に引いた相手に対してはボールをキープできるポグバが左サイドにいる事は大きなアドバンテージになれるはず。しかしスピードのある攻撃をしたい場合は向いていないので、対戦相手や戦況により使い分けるオプションの1つとしての扱いに留まるでしょう。

中盤の課題としてはもう一つトップ下の問題もあります。今回はこのことは触れませんでしたが、ファン・デ・ベークをどうチームの中で活かしていくかは今後の課題ですね。

なぜかエンジンの掛からないリーグ戦。次節のエバートン戦に負けるといよいよスールシャール監督の首がヤバいかもです...。

次節はCLバシャクシェヒル戦(11月5日)を挟んで11月7日(土)21:30からグディソン・パークでのエバートン戦。全集中!!カモン!ユナイテッド!!

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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