マンチェスター・ユナイテッド大学

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【20-21FAカップ5回戦】ウェスト・ハム戦に見るファン・デ・ベークがフィットできない理由

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

20-21FAカップ5回戦 ホームでウェスト・ハム・ユナイテッドと対戦したユナイテッド。試合は前半からユナイテッドがゲームを支配するも、なかなか決定的なチャンスは作れない展開に。後半に入ってユナイテッドはマクトミネイ、ブルーノ、カバーニを投入しますが得点を奪えず試合は延長戦へ。そして97分、ラッシュフォードのパスをマクトミネイがゴールへ流し込み均衡を破ります。試合はそのままタイムアップ。ユナイテッドが1-0で勝利し、準々決勝に駒を進めました

試合の詳細はユナイテッド公式をご覧ください。

www.manutd.com

今回はこの試合に先発出場するも、期待されたほどのインパクトを残せなかったファン・デ・ベークについてです。いまだにユナイテッドにフィットできない理由を探っていきます。

以下項目です。

 👿ラインナップ

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ユナイテッドvsハマーズ ラインナップ

ベンチメンバー
ユナイテッド:グラント、ショー、トゥアンゼベ、ウィリアムズ、マクトミネイ、ブルーノ、ディアロ、ジェームズ、カバーニ
ハマーズ:トロット、フレデリクス、ディオップ、バルブエナ、アルベス、ジョンンソン、ランシーニ、ベンラーマ、オドゥベコ

①プレースタイルのミスマッチ

夏に3500万ユーロで加入したファン・デ・ベークですが、これまで公式戦25試合1042分(11.5試合分)の出場に留まっています。ファン・デ・ベークがいまだにチームにフィットできていない理由を一言で表すと、

チームとファン・デ・ベークのプレースタイルが合っていない

ということです。詳しく見ていきます。

1-2.ポジショニング

まずはポジショニングと動きから。

ハマーズ戦のファン・デ・ベークは4-2-3-1のトップ下で先発しました。ファン・デ・ベークの動きで特に目に付いたのは、ハマーズの最終ライン裏のスペースへの飛び出しと、そこへのボールの要求でした。前半のハマーズは基本的にリトリートを選択。4-1-4-1(4-5-1)でブロックを作り、最終ラインは低く目に設定していました。トップ下のファン・デ・ベークを、アンカーのノーブルが監視していたこともあり、ライン間ではボールを貰うのは難しい状況にありました。

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フレッジやマティッチに、再三に渡りライン裏へのパスを要求したファン・デ・ベーク。なかなかそこへはパスが出ませんでしたが、これはちょっと無理があったと思います。フレッジもマティッチも気付いてはいましたが、あそこへパスを通すのはかなり技術の高い選手でなければ厳しいですし、通せたとしてもディフェンスラインは崩れていないので、潰される可能性が高いです。そもそも、ブルーノやポグバといった有能なパサーが不在だったこともあり、ファン・デ・ベークのこの動きは上手くいきませんでした。

また、ファン・デ・ベークもブルーノと同様に、ビルドアップの場面で中盤に降りて来て関与しますが、ブルーノのそれとは動きの意味が全く違うと思います。ブルーノは数的優位を作る事で、文字通りボールを前進させるために降りてきますが、ファン・デ・ベークは、単にボールに触りに来ているといった印象を受けます。チョンと触ってまた前に出ていくプレーが多く、ボールを前進させる意図はそれほど見られません。

このようにポシショニングと動きが、チームメイトと噛み合っていない場面が散見されます。

1-2.パス

続いてパス。

ファンデベークの繰り出すパスはほとんどが短いものです(60%がショートパス)。狭い距離で味方とパス交換し、ワンタッチのパスも多く使いますが、逆サイドに長いパスを通したり、前線の選手に長めのパスを送ったりといった曲面を大きく変えるようなプレーはあまり見られません。パススピードも遅いように感じます。

今シーズン、ファン・デ・ベークは公式戦25試合1042分に出場しています。パス成功率は87.5%フレッジとほぼ同じ)と高い数字ですが、これまで僅かに7本のキーパスしか出していません(0.6本/90分)。19-20シーズンのアヤックスでのキーパスは、1.8本/90分でした。

このツィートのパスマップは、19-20シーズンのアヤックスでのファン・デ・ベークの成功パスと失敗のパスを表していますが、成功パスがボックス近辺に集中しています。

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ファン・デ・ベークがボックス近辺のプレーを得意としている事が見て取れ、このシーズンのリーグ戦23試合で8ゴール6アシストと好成績を残せた理由も表しています。中盤のセントラルでもプレー可能なファンデベークですが、やはりトップ下の方が適正が高いという事も言えると思います。

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この様にファン・デ・ベークはボックス周辺のスペースへ走り、そこにパスを要求します。まずはこのパスを受けてからファン・デ・ベークの仕事が始まるという事です。しかし、現在のユナイテッドのメンバーでは、相手が引いてしまうと、そこにパスを届ける事が難しいというのが現状です。ファン・デ・ベークがフィットできない要因に、このプレースタイルのミスマッチがあります。

②ブルーノとのギャップ

2つ目はブルーノとの違いと求められる役割です。

トップ下が適正ポジショニングである事から、ブルーノの代わりを求められている様に考えがちですが、そのプレースタイルは全く異なるものです。

ブルーノの特徴は、相手がブロック守備をしてくる場合、一度ブロックの外のプレッシャーが少ない場所でボールを受けて、相手のラインを上げさせます。そして裏やライン間を狙う前線の選手にパスを送り、ブルーノへの監視が薄くなったところでバイタルを突くというのがブルーノの真骨頂。味方を見つけてパスを出し、フィニッシュの場面で自らも関与する能力は特筆に値しますね。今シーズン、公式戦34試合18ゴール11アシストのブルーノはプレーメイカーでもあり、フィニッシャーでもあるという役割をこなしています。

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ユナイテッドのボール保持がブルーノで終わる確率は25%ですが、ファン・デ・ベークは9%しかないというデータがあります。アヤックス時代の様に得点関与できていない(そこまでに至っていない)のは明らかです。ユナイテッドで、監督やコーチからどの様な役割を求められているのかわからないのですが、ハマーズ戦の後もスールシャール監督は、ファン・デ・ベークは自分の仕事をしたと語っています。しかし73分の交代の時の本人の表情を見るにパフォーマンスに満足できていないのは明らかでしょう。

見てきた様に、ファン・デ・ベークとブルーノでは全くタイプが異なります。ブルーノは「俺にボールをくれ。そしてスペースに走ってくれ。そこにパスを出すから」というプレーヤーですが、ファン・デ・ベークは「スペースに走るから、そこへパスを出してくれ」というプレーヤーです。ポジションは同じトップ下でも、ファン・デ・ベークは10番の役割は担っていないのです。

タイプが全然違うにも関わらず、ピッチ内外からブルーノに近いパフォーマンスを要求されている事がプレッシャーになっているように思います。

③フィットする為に

では、そんなファン・デ・ベークがユナイテッドにフィットする為にはどうすれば良いのでしょうか?

方法としては2つあります。1つ目は多くの方が言っているように、ブルーノとの共存です。プレースタイルのミスマッチやブルーノとのギャップを考えると、同時にピッチに立つ事が一番の近道だと思います。4-2-3-1ならポグバを左で使ったようにファン・デ・ベークを左で使い、トップ下にブルーノ。ポジションチェンジもスムーズに出来るでしょうし、右サイドにボールがある時はボックス内にも侵入出来るでしょう。なんといってもブルーノならファン・デ・ベークの欲しいところにパスを届けてくれる可能性が高くなります。さらにショーの近くでプレーできるのもプラスに働くはずです。

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もう1つはチームメイトからの信頼感を上げる事。これは現在取り組んでいる事ですが、時間が掛かるかもしれません。

ファン・デ・ベークの様なプレースタイルの選手はチームメイトから信頼され、パスを多くもらう事がとても大事です。現在、まだプレー時間が少なく、結果も残せていないので信頼を勝ち取るに至っていません。当然トレーニングでもアピールを続ける必要があります。また、チームの絶対的中心選手であるブルーノとは、まだ少し距離があり、認めてもらえていない印象を個人的には受けます。ブルーノに認めてもらうのって結構重要だと思うんですよね。最近だとようやくワン=ビサカ が認められましたね(笑)。ボール出してくれるようになりました。

ファン・デ・ベークの場合、チームに馴染めているのかも少し気になるところ。ペレイラやチョン、フォス=メンサーといったオランダ勢がチームを去ってしまいました。マティッチとは仲良さそうですが、その他の選手との絡みがインスタなどであまり見られません…。

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幸い指揮官は、ファン・デ・ベークに時間を与えると再三言っています。今は覚醒の時を信じて待ちたいと思います。

👿まとめ

延長戦までもつれたハマーズとのFAカップは、マクトミネイの値千金のゴールで勝利し、なんとか準々決勝に駒を進めました。

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先週のエバートン戦でポグバが負傷し、数週間の離脱となった事もあり、先発出場したファン・デ・ベークには大きな期待が掛かっていました。試合後、スールシャール監督はファン・デ・ベークに一定の満足感を示しましたが、ファンはもう少しインパクトを残してくれる事を期待したと思います。73分の出場で、ボールタッチは46回。73分から出場したブルーノは47分間で45回とほぼ同数のボールタッチでした。

ファン・デ・ベークの才能は間違いないですが、ユナイテッドの様なビッグクラブのプレッシャーに耐えられるかはその選手次第です。昔にはファン・セバスチャン・ベロンという例もありましたね。ファン・デ・ベークには期待していますが、まずはファン・デ・ベーク自身がチームに何をもたらす事ができるのか、証明する必要があります

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試合結果

この結果ユナイテッドはFAカップ準々決勝に進出。レスター・シティとの対戦が決まっています。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

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