マンチェスター・ユナイテッド大学

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【20-21PL第29節】クリスタル・パレス戦に見るブロック守備を崩せない理由【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

プレミアリーグ第29節 アウェイ、セルハースト・パークで開幕節(第2節)で敗戦を喫したクリスタル・パレスと対戦したユナイテッド。霧が立ち込める中、試合は両者なかなか決定機を作れない展開に。前半パレスはショートカウンターからタウンゼントがゴールに迫りますが決められず。ユナイテッドはマティッチの鋭いシュートもグアイタがファインセーブを見せ得点ならず。後半になってもユナイテッドのギアは上がらず。後半15分まではパレスが押し込む展開に。ユナイテッドは75分にジェームズとマクトミネイを投入し流れを引き寄せますが、ネットを揺らすことができません。逆に終了間際にファン・アーンホルトに裏を取られ、キーパーと1対1の場面を作られますがヘンダーソンが体を張って死守。試合はスコアレス・ドローで終わりました。

 

試合の詳細はユナイテッド公式をご覧下さい。

www.manutd.com

今回はこの試合から、ユナイテッドがブロック守備を崩せない要因を紐解いていきたいと思います!

なおスタッツデータはFBREFSofaScoreを参考にしています。

以下項目です。

 👿ラインナップ

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パレスvsユナイテッド ラインナップ

ベンチメンバー
パレス:バトランドハンナン、ケリー、ダン、リーデワルド、シュラップ、ウィッカム、バチュアイ、マテタ、
ユナイテッド:グラント、テレス、ウィリアムズ、リンデロフ、トゥアンゼベ、マクトミネイ、ジェームズ、ショレティレ、ディアロ

ドリブラーの不在

まず1つ目はドリブラーの不在

ドリブラーと言ってもタイプは色々ありますね。スピードとパワーで突破するタイプ。緩急と鋭い切り返しで抜き去るタイプ。スピードはないが、タイミングと相手の逆を突くのが上手いタイプなど...。ユナイテッドの選手の中で最もドリブルが“上手い”のはマーカス・ラッシュフォードアントニー・マルシャルの2人でしょう。今シーズンのプレミアリーグでのドリブル試行回数は、1位ウルブスのアダマ・トラオレ(154回)に次ぐ2位の116回を記録しているのがラッシュフォードです。ただし、成功回数になると4位の70回(成功率60.3%)となりますが、それでも高いレベルである事は間違いないでしょう。

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そして今シーズン調子の上がらないマルシャルですが、47回試行して30回成功、成功率63.8%。全体でいうと64位ですがFWの選手に限定すると9位の成績になります。40回以上試行している選手の中では、フィルミーノ、ソン・フンミンに次ぐ3位の成績で、マルシャルもドリブルスキルの高さは見せているという結果になります。

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ユナイテッドが誇る2人のドリブラーですが、試合によってはその能力を発揮できていません。今回のパレス戦ではラッシュフォードしか出場していませんが、敵陣でのドリブルは3回試みて1度しか成功していません。自陣でブロックを作り4-4のラインを非常にコンパクトにしていたパレスは、サイドの守備をサイドバックとウィングの2人で行っていました。ユナイテッドの左を例にすると、ラッシュフォードにはサイドバックウォードが、ショーにはウィングのタウンゼントがマークする形。中央を締められていたため、もっぱらサイドにボールを展開しますが、そこでラッシュフォードはドリブルでウォードを剥がすことができないために数的均衡が崩れませんでした。

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ドリブルが得意なラッシュフォードですが、ご存じの通り彼はスピードで勝負するタイプのドリブラーです。相手が引いてスペースのない状況では威力を発揮できません。今シーズンの引いてくる相手に対して効果的な崩しができない1つの要因に、このドリブルタイプの問題があります。

つまり、こういった相手には緩急で抜いたり、逆をついて躱すようなタイプのドリブラーが必要だという事です。現スカッドには、マルシャル以外にそのタイプはいません。そのマルシャルも、トップ起用が多く、パフォーマンスの波もあるので効果を発揮できていませんね。

多くのプレミアのチームには、タイプの異なる複数のドリブラー(ドリブルスタッツの高い選手)がいます。最もドリブルの多いウルブスにはトラオレとネトリバプールにはサラー、マネ、フィルミーノ。シティにはスターリング、マフレズ、カンセロ。今回対戦したパレスにもザハ、エゼ、タウンゼントと能力の高いドリブラーが必ずいます。

ユナイテッドはドリブルに関してはラッシュフォードに依存し過ぎていますし、タイプ的にジェームズやグリーンウッドもテクニック系のドリブラーとは言えません。パレス戦もサイドで1人躱せばパレスのCBは出てくる必要があり、陣形が崩れるのですがそういったシーンは皆無でした。

 

②スペースへの侵入不足

2つ目の要因は前線のスペースへ侵入する動きが少なすぎるという事。

これも相手が引いてブロックを作ると顕著に表れる現象ですね。カウンターの時は凄まじいまでにスペースに出ていくユナイテッドの前線ですが、遅攻になると途端に足が止まります。パレス戦でも、確かにカバーニは動き直しも多かったですが、中央を閉めていたパレスにスペースを与えてはもらえなかったですし、ハーフスペースへ侵入する動きも意識している選手はほとんどいませんでした。

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パレス戦で言えばショーと後半途中出場したマクトミネイは1度づつハーフスペースを使いましたし、その両方で惜しいチャンスになりかけました。ブルーノの疲労による不調も取りざたされた試合でしたが、チャンスを作れなかったのは(一応チャンスメイクは最多の4回)彼の調子だけでなく、前線の動きの少なさも影響したように思います。

ブロックを作られた時に、ポジションを崩す選手がユナイテッドは少ないように感じます。ブルーノだけが唯一、ブロックの外に出てボールを受けたりしますが、グリーンウッドもサイドで出場している時は基本ポジションを守りますし、中盤のフレッジ、マティッチも飛び出す動きはほとんどなかったです。本来であれば、ブロックを敷かれた時ほどリスクを冒してポジションをズラすことで相手の陣形を崩せるのですが、ユナイテッドにはその意識が薄いのではないでしょうか?そして仮にスペースに動いても、そこへパスを出せる選手がブルーノとポグバしかいないというのも問題の1つです。

このスペースへの侵入が最も上手いのがファン・デ・ベークです。そういった意味でもファン・デ・ベークがフィットしてくれれば状況は少し変わるかもしれませんね。

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③ダイレクトプレーの欠如

3つ目はダイレクトプレーの欠如です。

ユナイテッドに限らず、崩せない試合は必ずといっていいほどダイレクトプレーが少なくなっています。これは2番のスペースへの侵入とも関係しますが、基本的に足元でボールを受けて、一度止めてから次のプレーという形が多くなります。フリックやワンタッチでの叩きやワンツーは、ディフェンスブロックを切り裂くのにとても効果的です。

しかしユナイテッドは相手が引いていると、極端にボールロストを恐れる傾向にあります。カウンターを受ける事を懸念しているのだと思いますが、リスクを冒したパスや、失敗する可能性も高いダイレクトプレーをほとんど使いません。これを証明するようなスタッツを見つけることが出来なかったのですが、印象に残っているのは9-0で大勝したサウサンプトン戦の前半です。相手が早々に1人少なくなった事もあり、のびのびフットボールを展開したユナイテッドは、多くのダイレクトプレーを使っていました。

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相手は4-4-1で自陣に引きこもっていましたが、それでも面白いように崩せていましたね。カウンターを受けるリスクが少ないと、こういったプレーができるという事でしょう。パレス戦を含め直近3試合無失点なのは立派ですが、それはリスクを冒して攻めていない事の裏返しなのかなとも思います。

 

④貧弱なフィニッシュ精度

最後はフィニッシュ精度です。

今シーズン、ここまで51得点とシティの55得点に次ぐ得点を叩き出しているユナイテッド。攻撃面で進化しているのは間違いないですが、やや強引に数字を見ると、その内9点はサウサンプトン戦の得点です。この9点がなかったとすると総得点42点となり、シティ、リバプール(44点)、レスター(43点)に次ぐ4位タイ(リーズも同じ)の得点数になります。

シュート関連の数字を細かく見てみると、シュート本数は375本で3位、ショッツ・オン・ターゲットは38.1%で3位、シュート決定率も12%で3位、ゴール期待値も42.4で3位となっていて、チームとしてはまずまずのクオリティを示していると言えます。

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個人で見ると、今シーズンのユナイテッドはブルーノとラッシュフォードの2人が大きな得点源になっています。現在のトップスコアラーはブルーノで、リーグ戦15得点をマークしています。これはサラーの17ゴールに次ぐリーグ2位の成績です。そしたラッシュフォードが9得点でユナイテッドでは2番目に多い得点。シュート本数はブルーノが77本でリーグ3位。ラッシュフォードが58本で9位の成績です。ショッツ・オン・ターゲットになるとラッシュフォードが48.3%で19位、ブルーノは36.4%で88位まで落ちます。ゴール期待値もブルーノは5位の11.7、ラッシュフォードが18位の7.4ですが、PKを除くとブルーノは5.6で26位まで落ちます

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つまり、今シーズンの躍進を支えるブルーノですが、こと得点という事に関しては、PKを除くとあまり精度は良くないという事です。ラッシュフォードは、印象的には決定機を外しているように感じますが、データで見ると昨シーズンの1試合平均のゴール期待値ではそれほど大きな差はありません(19-20=0.38 20-21=0.30*PKを除く)。

しかし、これはあくまでも全試合を均した数字であって、パレス戦のような膠着した試合でこそ、ブルーノやラッシュフォードに真価を発揮してほしいところですし、16分のゴール前でシュートを放ったラッシュフォードには決めて欲しかったです。パレス戦11本シュートを放ったユナイテッドですが、ブルーノはシュート0、ラッシュフォードはその1本だけでした。逆を言えばこの2人のキーマンをボックス近辺から遠ざける戦いに持ち込んだホジソン監督の、作戦勝ちだったということですね。

また、この2人が抑え込まれた時に、他の選手が満足にカバーできないというのもフィニッシュの問題の1つです。パレス戦で言えばカバーニとグリーンウッドですが、カバーニはともかく、グリーンウッドは今シーズン35本シュートを放って1ゴール。ゴール期待値は3.1なのでかなり不調だと言えます。ショッツ・オン・ターゲットは25.7%で、本数は全然違いますがジェームズ、マクトミネイより低い数字です。

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今シーズンの、マルシャルとグリーンウッドのフィニッシュ精度の急降下は、引いた相手を崩せない要因の1つになっているでしょう。

 

👿まとめ

試合が進むにつれて濃くなっていった霧のように、ユナイテッドの攻撃も停滞したパレス戦。終了間際のヘンダーソンのシュートブロックがなければ、パレスにシーズンダブルを喰らうところでした。

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低いラインと徹底して中央を締めた守りはユナイテッドが最も苦手とする形でしたし、相変わらずそれを打開する策を見いだせていないのが浮き彫りになった試合となりました。そもそも決定機は0でしたし、枠内シュートもわずかに1本。これでは得点できるはずもありません。多くのユナイテッドサポーターにとってはフラストレーションの溜まる試合となりました。

今回ユナイテッドが低いブロックを崩せない要因を4つ挙げましたが、キーマンを消された時に、違いを生み出すタイプの異なったタレントがもっと必要だと言えるでしょう。パレス戦はポグバやファン・デ・ベーク、マルシャルの不在が多少影響したかもしれませんが、マクトミネイとジェームズの投入で少し流れが変わったように、人を入替えるのが最も効果がすぐにでるやり方だと思います。パレス戦のスールシャール監督はその判断も遅かったのではないでしょうか?

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パレスvsユナイテッド スタッツ
出典:プレミアリーグ公式

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試合結果
出典:ユナイテッド公式

この結果首位シティに14ポイント差を付けられ、プレミアリーグのタイトルは絶望的になりました。これからは4位以内の確保が現実的な目標になります。1月12日バーンリー戦で首位に立ってから10試合で3勝6分け1敗の勝ち点15しか積み上げられていないユナイテッドは完全に失速。アウェイ21戦無敗という無意味な記録だけを更新しています。

しかし、次節はシティとのダービー。気持ちを切り替えてシティの連勝を止めに行きたいですね!エティハド・スタジアム3月8日(月)1:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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