マンチェスター・ユナイテッド大学

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【レジェンド列伝】唯一無二のミッドフィールダー ポール・スコールズ【コラム】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

今回は、試合のないオフシーズンということで、ユナイテッド・レジェンドのコラムを書きたいと思います。

私はユナイテッドを2000-2001シーズンから見ています。歴代のユナイテッド選手の中で最も好きな選手はポール・スコールズです。これまで何度も、彼についての記事を書こうとしてきましたが、そのたびに途中で書くことを止めていました。その理由は自分でもよくわからないのですが、恐らく書きたいことがスコールズは素晴らしかった」という事に行きついてしまうからです。スコールズが素晴らしいことは、多くの方がすでに知っていることであり、さんざん語りつくされてきました。現役時代を見ていた人も、見ていない人もイングランド史上、最強のMFの1人として、スティーブン・ジェラードフランク・ランパードと共に評価されている事はご存じでしょう。

そんな記事でも別に良いとは思うのですが、最も好きなプレーヤーを表現するには、それでは足りないと思いました。結局は、表現するだけの文章力がないということなのですが(笑)、今回は、なんとか書いてみようと思います。

以下項目です。

スコールズの魅力

ポール・スコールズと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?金髪の小柄な選手、強烈なミドルシュート、正確無比なロングパス、ひどいタックルetc...。

1991年にユナイテッドのユースに入団したスコールズは、1994年の9月のリーグカップポート・ヴェイル戦でトップチームデビューして以降、2013年5月に引退するまでユナイテッド一筋(2011年5月に一度引退。2012年1月に復帰)。710試合に出場し152ゴール75アシストを記録しています。ワンクラブマンであり、指導を受けたトップチームの監督はサー・アレックスのみという生粋のレジェンドです。

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当時、最高のミッドフィールダーと称されたスコールズは、11回のリーグタイトル獲得、3回のFAカップ、2回のリーグカップ、2回のチャンピオンズリーグ優勝メダルを獲得しました。ゴールスコアリングのピークは2002-03シーズンで、公式戦52試合で20ゴールを記録しましたが、このシーズンはシャドー・ストライカーでの出場が多かったシーズンでした。もともとストライカーとしてキャリアをスタートしたスコールズは、天性のキック力と戦術眼を活かすために、ポジションを下げていきます。スコールズと言えば4-4-2の中盤センターというイメージの方が多いでしょう。

*02-03シーズンの記事もよろしければ! 

manchesterutddaigaku.hatenablog.com

上に挙げたロングパスやミドルシュートなどはどれも「ザ・スコールズ」です。168cmとイングランドフットボールの中では明らかに小柄ながら、ピッチ上での存在感は抜群で、中盤の底からパスを散らし、ファイナルサードへ侵入し強烈なミドルシュートを放ちます。「なぜ、そこが見えているんだ?」というロングパスと、とてもあの体格から放たれたとは思えない軌道のミドルシュートは、たまに見せる特別なものではありませんでした。それが彼のプレースタイルであり、個性でした。

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そして、私が思うスコールズの最大の魅力は、見るものに「爽快感」を与えたことです。スコールズのプレーは見ていて気持ちが良かった...。ちょっとチープな表現ですが、ちょうどそれはサッカーゲームをプレーしている時に感じる感覚と似ていました。自分の思うようにパスが出せて、シュートが打てる。スコールズピッチを俯瞰で見ているようにプレーできる選手で、テレビで見ている私たちと同じようにフリーな選手が見え、ゴールへの最短距離が見え、スペースが見えていました。

現在のユナイテッドではポグバやブルーノはとても視野の広い選手だと思いますが、スコールズに比べると1歩も2歩も劣って見えます。スコールズはもちろんキック精度が高かったのですが、その能力を如何なく発揮するためのボールの受け方が抜群に上手かったです。ボールを受ける前に首を振り、相手マーカーの位置と味方の位置を確認。フリーで受けられるスペースに顔を出します。この受ける動きのタイミングが早すぎず、遅すぎず完璧で、余裕を持ってボールが持てるのでロングレンジのパスもミドルも精度を発揮できていました

 その爽快感は、言葉で語るよりも実際に見る方が伝わるでしょう。

スコールズのベストゴール集!


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 「この爽快感はクセになる」何かのCMみたいですが(笑)、スコールズのプレーには中毒性がありました。

 

②選手から称賛される

スコールズに関して、これもよく言われる事ですが、同僚はもちろん、ライバルチームや対戦相手の選手からも多く称賛されました。

ギグスは最高の同僚にスコールズの名を挙げて

「彼のような選手はいなかった。私は日々、ほとんどのサッカー選手ができることは自分もできると感じていたが、スコールズがしていたことに関しては決して同じことができなかった。スコールズがボールを受けた時に、すぐに走り出せば(ボールが出てくるから)彼を見る必要すらなかった。彼は僕が望む場所に正確にボールを出すことができるんだ」

 と語っています。

バルサシャビは「スコールズとプレーできなかったことが後悔」と語り、現神戸のイニエスタスコールズを憧れの選手に挙げています。当時ライバルチームだったアーセナルのエース、ティエリ・アンリも「疑うまでもなく、プレミアリーグで最も素晴らしい選手はスコールズだ。彼はなんでも出来る」と語り、ジネディーヌ・ジダンは、「最も手強かった相手?スコールズだ。迷うことなく彼は彼の世代で最も素晴らしい選手だ」と称賛。ペップも「ユナイテッドのすべての選手の中では、スコールズを選びたい。彼はあの世代の最高のMFなんだ。私も彼と一緒にプレーしてみたかったよ」とコメントしています。

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 メッシやロナウドのような華やかなプレーとは違い、どちらかというと地味に映るスコールズのプレーでしたが、これほどの選手たちに評価されているという事実がスコールズの凄さをよく表していると思います。

 

③ファンから愛される

 そして、スコールズファンからもとても愛されたプレーヤーの1人です。現役時代のスコールズは恐ろしくシャイで、一切インタビューに応えず、ベッカムのような雑誌の表紙を飾るようなルックスを持ち合わせず、ロイ・キーンギグスのようなリーダーシップも発揮してきませんでした。試合後も華やかな生活とは無縁で、いつも少し肩を落とし、さわやかな笑顔を作る事はなく、陰気な雰囲気を醸し出していたスコールズですが、ファンからはとても愛される存在でした。

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スコールズはお金に興味がなく、代理人も立てずに、ユナイテッドとの契約書もろくに読んでいなかったようです。彼にとってはフットボールこそが全てであり、自分の存在意義はピッチ上にあることを理解していましたスコールズが活躍した時代は、フットボールがショービジネス化する過渡期でした。ベッカムフィーバーに始まり、アブラモビッチによるチェルシーの買収、プレミアリーグの放映権料の高騰などで、次々とサッカー選手がタレント化していった時代。その中でピッチを離れればスコールズは「ワーキングクラス」の庶民とともにありました

「朝、電車に乗って子供を学校に送りに行き、子供と遊び、お茶を飲み、子供を寝かしつけた後、テレビを少し見る」

これがスコールズの理想の1日でした。

日本でも、スコールズワールドサッカーダイジェストの表紙を飾る事はなかったですし、ウィイレのパッケージになることもありませんでした。イングランド代表からも早々に引退した(2004年に通算66試合14得点で引退)事もあり、サッカー選手の華やかなイメージはなかったかもしれません。しばしば日本でスコールズは過小評価されていると言われることもありましたが、その華の無さが影響した部分はあったかもしれませんね。

しかしユナイテッドファンは、スコールズがピッチ上でいとも簡単にやってのけている事が、如何にレベルの高いことなのかを理解していました。スコールズがユナイテッドの選手だということはファンの誇りであり、バイタルエリアスコールズにボールが渡ると響き渡る「シュート!」の声にはいつでも愛情が詰まっていました。ユナイテッドファンにとってスコールズ「愛すべき小さな巨人だったと思います。

スコールズ下手くそなタックルすらもファンは大好きでした。プレミア史上5番目に多い97枚のイエローカードを貰い、確かに悪質なタックルもありました。「いや、それはファールになるだろう...」というタイミングと角度でタックルに行くのですが、何というか下手過ぎてもう批判する気にもならない(笑)という感じでした。それでもファンはスコールズのタックルに、彼の勝気な性格を見て好意的に捉えていたと思います(私だけ?)。

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④無口な青年から皮肉屋のコメンテーターへ

 そんなスコールズが、現役引退後、コメンテーターに転身したことは多くの人に驚きを与えました。現役時代にシャイ過ぎて、インタビューにも応じなかった男が辛口のコメントを連発する様は、異質に映ったと思います。しかし、よくよく考えればスコールズは物静かな男だったかもしれませんが、イングランドの北西部のどんより曇った空の下で育った男です。イングランド特有の皮肉の精神を持っているのは当然でしょう。スコールズはサッカー選手としての自分がそうであったように、自分を偽ったり、飾ったりすることなく、感じた事をそのまま口にしているだけです。そのどこまでも庶民的な感覚が、コメンテーターとしても多くの人に受けた理由ではないでしょうか?

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スコールズは2011年の引退後に、ユナイテッドのコーチに一時的に就任しましたが、それ以降はオールダム・アスレティックで監督を務めたり、サルフォード・シティで暫定的に指揮を取ったりしただけで、本格的に指導者の道には進みませんでした。正直、スコールズほどの才能があった人に、ユナイテッドで指導してほしいと思う事もあります。

でも、きっとスコールズにはプレーを人に教える事はできないのでしょう。スコールズは現役時代、自分の事は自分でできる選手でした。誰かに細かく指導される必要がないぐらいピッチの隅々まで見えていましたし、最善の場所へボールを届ける才能がありました。これは誰もができる種類のものではなく、スコールズの基準で指導されても付いていける選手はほんの一握りでしょう。名選手が名監督になるとは限らないという例の一つですね。

 

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2013年5月19日のWBA戦。スコールズはサー・アレックスの勇退と同時に現役を引退しました。試合の流れを読み、プレーのテンポをコントロールすることに長けたスコールズは、私の中では最強のMFです。もちろん現代フットボールで同じように活躍できるかはわかりませんが、いつまでたってもスコールズを超える選手は出てきませんスコールズを形容する言葉はたくさんあります。

中盤のマエストロ

完璧なミッドフィールダー

中盤の万能マシーン

など...。しかしどの形容も完璧ではありません。スコールズは他に例えようのない唯一無二の「ポール・スコールズ」だからです

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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