マンチェスター・ユナイテッド大学

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【21-22戦術考察】マンチェスター・ユナイテッド的4-3-3を考える 〜4-3-3移行は可能か?〜

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

21-22シーズンの開幕が刻一刻と近づいてきました!ブルーノ、ポグバ、マグワイア、ショーなどの主力選手達もトレーニングに戻って来て、いよいよ本格始動といった感じです。今シーズンのユナイテッドは戦術的な変更があると言われています。これまでの基本フォーメーション4-2-3-1から4-3-3へのシフト。これをスールシャール監督は考えていると報じられています。

今回はその4-3-3システムについて考察したいと思います。

スールシャール監督の思い描く4-3-3とはどのようなものなのか?4-3-3への移行は可能なのか?など筆者なりの考えをまとめました。

少し長めの記事になってしまいましたが、よかったら最後までお付き合いください!

以下項目です。

スールシャールの目指す4-3-3とは?

事の発端は、今シーズンのトレーニングを開始した7月16日、ESPNのロブ・ドーソン記者の報告により、スールシャール監督が今シーズン4-3-3へのシステム変更を検討していると報じられたことにあります。

www.espn.co.uk

記事から推測されるスールシャールの思い描く4-3-3は

✔マクトミネイ&フレッジへの依存を減らす
✔「攻撃的な」4-3-3
✔1人の守備的MFに2人の攻撃的なMF
✔ポグバ、ブルーノ、ファン・デ・ベークを共存させる
✔鍵は「新CB」の獲得(ヴァラン)

といったところがキーワードと見られます。この事から読み解ける4-3-3は、長年の課題である「引いたブロックを崩せない」という事の解決策であり、マクトミネイ、フレッジのコンビでは決定的に不足した「創造性」を発揮する目的が強いように感じます。

1人のアンカーに2人の攻撃的なMFという組み合わせは、どちらかというとアンカー、フェルナンジーニョにデ・ブライネ、フォーデンなどの攻撃的MFを配置するシティ型のイメージに近く、リバプールの前線3人を活かすために献身的に動きチームを支える3センター型とは違うイメージになります。

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なお、スールシャールはユナイテッドの監督就任当初に4-3-3を基本フォーメーションとしていました。マティッチをアンカーにしてポグバとエレーラのインサイドハーフの組み合わせでしたが、ポグバのパフォーマンス低下やマティッチの衰え、エレーラの退団などもあり、4-2-3-1に切り替えたという過去があります。この時の4-3-3で鍵を握ったのはエレーラ。彼の献身的な守備への戻りが、ポグバを高い位置に留まらせることを可能にし、マティッチ1人ではカバーしきれないバイタルのケアもエレーラが担っていました。そういった意味では4-3-3と4-2-3-1のミックス型と言えるかもしれませんね。

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報道を信じるならば、今シーズントライしようとしている4-3-3は、より攻撃的だということになります。では実際にこの攻撃的な4-3-3は可能なのか考察していきたいと思います。

 

②プレシーズンに見る4-3-3

考察するにあたって、最も手っ取り早いのは最新のユナイテッドの試合を見る事です。ユナイテッドは今シーズンのプレシーズンマッチを3試合戦いました。そこに4-3-3移行へのヒントはあるのか見てみます。

結論から言うと、はっきりと断定できるほどの4-3-3の形はありませんでした(笑)。3試合共にスタートフォーメーションは4-2-3-1。若手選手の組み合わせはあまり参考にならないので、この3試合で最もプレー時間の長かったシニア選手の中盤の組み合わせをサンプルとして使います。つまり、マティッチ、ペレイラ、リンガードの3人です。4-2-3-1で見た場合、ダブルボランチの右にペレイラ、左にマティッチ、トップ下にリンガードが基本ポジションになります。

初戦のダービー戦では、実は4-3-3に可変するシーンも結構ありました。ボール保持の場面でマティッチが深い位置に留まり、ペレイラが高い位置へ。リンガードは中央から左ハーフスペースにスライドする形で4-3-3に。そしてこの時に、右サイドバックに入っていたガルブレイスペレイラの空けたスペースをケアする形で偽サイドバックになるという可変でした。

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21-22PSM ダービー戦の4-3-3可変

2戦目のQPR戦の前半も、同様の4-3-3可変が見られましたが、同時に少し違う形の4-3-3可変も。マティッチ、ペレイラの動きは同じだったのですが、QPR戦はトップのグリーンウッドが中盤に降りてくる形もしばしば。そして代わりにリンガードがグリーンウッドが作ったスペースを狙うという形の4-3-3も見られました。

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21-22PSM QPR戦の4-3-3可変

3戦目のブレントフォード戦もダービー戦同様の4-3-3可変でしたが、この試合はトップ下に入ったのはマタでした。しかしマタもリンガード同様に降りて貰いに来るシーンが目につきましたね。

このように3試合とも4-3-3に可変するシーンは何度もあったのは事実です。そして可変している時は全てビルドアップのフェーズでした。個人的にはビルドアップをスムーズにするために4-3-3に可変していると考えていますが、最初に書いた結論のように断定できないのは、この3人(+マタ)の組み合わせでしか十分に検証できていないという理由と、3人のキャラクターでそうなっているという説も払拭できない為です。

しかし、ビルドアップの際にポイントとなる動きがそれぞれにあったのは事実。マティッチで言えば、2CBを広げてその間に降りてボールを受ける動きが明らかに多い。ペレイラはバランスをかなり意識しており、ビルドアップの場面ではマティッチと横並びにならないことを徹底。チームがボールロストした際は素早くボランチに戻っていました。リンガードは左ハーフスペースを使う事が多く、ビルドアップ時は降りて受ける意識が高いなど...。この結果が4-3-3への可変になり、結果昨シーズンよりもビルドアップ時のパスコースが増えた印象を受けます。

 

③4-3-3への移行はあるのか?

前項でビルドアップ時は4-3-3ぽく可変しているという事はわかりましたが、4-3-3が基本フォーメーションになる可能性はあるのか見ていきます。

これも結論から言うと、現状では本格的な4-3-3への移行は不可能です(笑)。まず決定的にアンカーポジションの選手がいません。現状のメンバーで言えば最もアンカー適性があるのはマティッチです。しかし、今年で33歳になったマティッチにフル稼働を望むことはできず、また運動量という面でもバイタルを1人でカバーできない事は明らかです。ヴァランの獲得により、マクトミネイをアンカーで使うという選択肢の可能性は上がりましたが、対人守備にムラのあるマクトミネイではフィルターにならないという不安があります。フレッジもプレス耐性が低く、ボールロストの危険性が常にあるので、このポジションを1人で任せることはリスキーです。

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もう一つの理由はアンカーシステムではサイドバックの上がりが抑制される可能性があること。シティ型の4-3-3では攻撃的MFを活かす為に右サイドバック(ウォーカー)をCBにスライドさせ左サイドバック(ジンチェンコ)をボランチにスライドさせ、ダブルボランチ化します。これにより、カウンター対応と中央の守備力を維持していますが、これをユナイテッドでやった場合、ショーとワン=ビサカのオーバーラップを封印する事になります。特に、ショーの攻撃力を活かせなくなるのは勿体な過ぎます。ユナイテッドがシティと同様のやり方をするわけではないですが、攻撃的な4-3-3では少なくなる後ろの枚数を補なう為にSBが犠牲になる可能性が高いです。これは4-3-3の大きなデメリットとなりますね。

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またユナイテッドの場合、ウィンガーがキャラクター的にインサイドレーンへ侵入する事が多く、これによりインサイドハーフ2人とレーンが被りハーフスペース渋滞を引き起こす可能性があります。折角、攻撃的なMFを2枚使ってもこれを活かせない可能性があるということです。(シティはウィンガーを大外に張らせる事でこの問題を解決しています)これは、動きや連携面をしっかり落とし込めば解決できる問題ですが、複雑なシステムだけにユナイテッドには難易度が高いと思います。

以上のように、現状のままではとても4-3-3を基本のシステムとするのは無理があります。今のユナイテッドには4-2-3-1の方が個の能力を活かすという意味では向いています

 

④4-3-3採用の条件は?

とはいえ、4-3-3が全く不可能かというとそうではありません。ある条件下では4-3-3を採用することも可能だと思います。

それは

✅4-2-3-1と4-3-3の可変型
✅支配率7割を超えるような格下との対戦
✅4-2-3-1のチームとの対戦
✅トップクラスの守備的MFの獲得

など。

可変型については②の項で見たようなビルドアップのみ4-3-3に可変するなど、フェーズによって使い分ける形。この形ならば、現在のメンバーでも対応が可能で、IHの組み合わせも様々使う事ができます。ただし、片方のIHは基本的に守備に戻る必要があるのでバランスを取れる選手になります。なので①の項で見た様な攻撃型の4-3-3とは違うと考える必要があります。

また、格下でユナイテッドがボールを支配できる相手に対してであれば、攻撃的な4-3-3も可能かもしれません。この場合、押し込んだ状態では後ろを3人で守る事になるので、カウンターを受けやすくなるというリスクがあります。①の項で述べたヴァランが鍵となるというのはこういうシチュエーションの時。ヴァランとマグワイアのコンビならば陣形が乱れていても守れる個の能力があります。

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4-2-3-1のチームに対して4-3-3で挑むのも有効な手段。フォーメーションの噛み合いでギャップが生まれにくいです。相手にも同じ事が言えますが、例えば4-2-3-1のシティに対してユナイテッドが4-3-3を使えば善戦できる可能性が上がると思います(4-3-3じゃなくてもシティには勝てるけど...)。

そして最も理想的な4-3-3への移行条件が、トップクラスの守備的MFの獲得です。まず最初に4-3-3へのシフトと聞いて誰もが必要だと思うのがこれではないでしょうか?今夏の移籍でユナイテッドは、このポジションを補強ポイントとしているのは確かですが、まだ具体的な動きに出ていません。挙がっている候補者もボールハンタータイプではなく、万能型が多い印象です。理論的にはヌディディなどの守備に特化したタレントが攻撃型の4-3-3にはマッチするはずです。しかし、そういったタイプを狙っていないのであれば、スールシャールにはもっと他の考えがあるのかもしれません。

以上4つが4-3-3を採用するのに必要な条件です。4つ目の補強以外は4-3-3をオプションとして使う形になりますが、実現性は高いと思います。

 

👿まとめ

以上、見てきたように、現状では4-3-3はオプションの域を出ず、メインシステムとするのはとても現在的なプランとは言えません。また、4-3-3の要となる中盤の補強が未だ完了しておらず、一部報道では余剰戦力の放出が終わってから、中盤の選手獲得に動くと言われています。このような状況でスールシャールが4-3-3導入を示唆するというのはちょっと違和感があり、①で見た報道には一部真実でない事が混ざっている可能性があります。

とはいえ、スールシャール監督が昨シーズンまでのマクトミネイ、フレッジコンビの創造性の欠如に不満を持っているのは確かでしょう。その解決策の1つが4-3-3です。ブルーノやポグバ、ファンデベークを共存させられる4-3-3には夢があります。まして、今シーズンタイトル奪還を目指すユナイテッドにとって、昨シーズンとは違う戦術、戦略で戦うことも当然必要になるでしょう。いずれにせよ、やはり4-3-3のポイントとなるのはMFの補強です。どんな選手を獲得するのかに最大のヒントが隠されているはずです。

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21-22 ユナイテッド的4-3-3

しかし、忘れてならないのは4-3-3などのフォーメーションはあくまで試合に勝つ為、そしてタイトルを取る為の手段の1つに過ぎないということです。単なるシステムの1つであり、持っている陣容を上手く活かせないのであれば無理やり使う意味はありません。個人的にも4-3-3にロマンを感じるのですが、このことを肝に銘じつつ間もなく開幕する21-22シーズン、ユナイテッドがどのような戦い方をするのか注目していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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