マンチェスター・ユナイテッド大学

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【21-22PL第5節】ウェスト・ハム戦 ヒーロー2人の物語【マンチェスター・ユナイテッド】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

21-22プレミアリーグ第5節 アウェイ、ロンドン・スタジアムでウェスト・ハム・ユナイテッド(ハマーズ)と対戦したユナイテッド。試合は30分にベンラーマのシュートがヴァランにディフレクト、先制のゴールを許してしまいます。ユナイテッドもすぐさま反撃。35分にはブルーノの左からのクロスにロナウドが合わせ、一度はファビアンスキにセーブされますが、こぼれ球をロナウドが押し込んで同点に追いつきます。後半に入っても、組織されたハマーズディフェンスをなかなか攻略できないユナイテッドは73分にサンチョとリンガード、88分にマティッチを投入します。するとマティッチの縦パスを受けたリンガードが左ハーフスペースからシュートを放ちます。これがゴール左上に突き刺さりユナイテッドが逆転に成功!このまま逆転勝利かと思われた94分。ユナイテッドのボックス内でショーのハンドを取られてPKに。ハマーズはここでPKテイカーであるノーブルを投入し、PKを託します。しかし、このシュートをデ・ヘアが読み切ってセーブ!ユナイテッドがなんとも劇的な逆転勝利で勝ち点3を獲得しました。

*試合のハイライトはこちら

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今回はこの試合を勝利に導いたヒーロー2人にスポットを当てて試合を振り返ります

以下項目です。

👿ラインナップ

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21-22PL5 ハマーズvsユナイテッド ラインナップ

 

ジェシー・リンガードの物語

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サッカーの試合では時として「ヒーロー」が誕生します。ユナイテッドの代名詞でもある「劇的な勝利」はこれまで何人もの「ヒーロー」を生み出してきました。それこそ1999年のカンプ・ノウの奇跡(2-1で勝利)」のスールシャール、07-08シーズンのCL準決勝2ndレグ(1-0で勝利)、バルサ戦のスコールズ、12-13シーズンのマンチェスター・ダービー(2-3で勝利)のファン・ペルシ...など、いくつもの伝説が生まれ、数多の勝利の立役者が誕生してきました。

ハマーズ戦のリンガードとデ・ヘアはまさにそんな「ヒーロー」と呼ぶのにふさわしいパフォーマンスを披露しました。89分に逆転弾を決めたリンガードは、73分にポグバとの交代でピッチに入りました。サンチョと同時にゲームに入りましたが、どちらが右でどちらが左かわからないぐらいに自由にポジショニング。ゴールシーンは左ハーフスペースでマティッチからの縦パスを受けてからのシュートでした。

リンガードは、ご存じの通り昨シーズン後半ウェスト・ハムへローン移籍していました。そこでプレミア16試合に出場9ゴール5アシストを記録、チームの6位躍進の原動力となりました。今回の試合でも、リンガードがウォームアップを始めるとハマーズ・サポーターから歓迎の声が上がりましたが、リンガードがいかにハマーズサポーターから愛されているのかを物語っていましたね。そしてゴールを決めたリンガードも、セレブレーションはせず、ハマーズへの敬意を表しました。

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そんなリンガードですが、ユナイテッドでのキャリアは順風満帆だったわけではありません。2014年8月にユナイテッドのトップチームデビューを果たしたリンガードですが、その後すぐ怪我の為離脱、さらにダービーへの短期レンタルを経験し、ファンハール政権でユナイテッドに復帰しました。大きく飛躍したのはモウリーニョ時代の17-18シーズン。公式戦42試合に出場し11G7Aを記録。レギュラーに定着し、イングランド代表として2018ロシア・ワールドカップに出場しました。

しかしながら、スールシャールがやってきた2018年の年末から怪我などもありフォームを落とします。出場時間は徐々に減り、ゴールやアシストといった結果が全くでなくなり完全にスランプに陥りました。その背景には、母親の病気やコロナ禍による精神的不安があったのですが、あれだけ明るかったリンガードが精神的に追い詰められ、サッカーに集中できなくなるというのはちょっと想像できませんでしたね…。そういった背景を理解して、リンガードを応援、見守ってきたファンばかりではもちろんなく、「ユナイテッドを退団した方が良い」という声も多くありましたし、私もその方がリンガードのキャリア的にも良いと考えていた時期もあります。

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そんな苦しい時期を乗り越えるきっかけとなったのは、本人の努力とやはりハマーズへのレンタル移籍です。ハマーズでの笑顔に溢れ、プレーを楽しむリンガードの姿は、忘れていた大事なものを思い出したことを印象付けました。21-22シーズン開幕前、そんなリンガードは移籍の可能性も報じられました。ハマーズで復活を印象付けたとはいえ、ユナイテッドでの出場機会は保証されていません。契約も残り1年となっていて、ユナイテッドが売却に踏み切る可能性もありましたし、実際ハマーズはリンガードの獲得を狙いました。しかし、本人のユナイテッドでの挑戦の意志と、スールシャール監督の構想に含まれているために移籍は実現していません。

21-22チャンピオンズリーグ第1回戦のヤングボーイズ戦。アディショナルタイムにリンガードのバックパスミスから失点。敗戦に繋がる痛恨のミスを犯しました。厳しい批判に晒されましたし、誹謗中傷や差別的なコメントも見られ、リンガードも心中穏やかではなかったでしょう。それから5日後、リンガードはロンドン・スタジアムでヒーローになりました。試合後のインタビューでリンガードは

フットボールではミスは起こる。僕らはそれを乗り越える必要がある。そういう事が起これば立ち直る必要があるんだ。

とコメントしています。これは、ヤングボーイズ戦とハマーズ戦の事を言っているだけなのですが、それ以上の重みを感じます。このコメントはリンガードのキャリア全体の浮き沈みにもリンクします。そういう背景を知ると、ハマーズ戦のゴールはより美しく、そして力強く感じました。

 

ダビド・デ・ヘアの物語

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そしてハマーズ戦のもう1人のヒーローが、ラストプレーのマーク・ノーブルのPKを止めたダビド・デ・ヘアです。今シーズンのデ・ヘア開幕から全試合にフル出場を果たしています。この背景には、ディーン・ヘンダーソンのコロナによる離脱があるのは確かです。

昨シーズン、ユナイテッド加入10シーズン目のデ・ヘア大きな試練に見舞われました。ローンバックしたヘンダーソンとの守護神争いが注目される中、リーグ戦はデ・ヘアカップ戦はヘンダーソンという住み分けでスタートしましたが、デ・ヘアのパフォーマンスは安定せず。16節のウルブス戦や17節ヴィラ戦のように素晴らしい活躍をしたかと思えば、20節シェフ・U戦や23節エバートン戦のようなミスもありました。そして29節、デ・ヘアがパートナーのエドゥルネさんの出産に立ち会うためにチームを離脱、代わりにヘンダーソンゴールマウスを守ります。しかし、デ・へアがチームに戻ってからもヘンダーソンゴールマウスに立ち続け、実質的な守護神交代となりました。

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シーズン最終戦カップ戦要因となったデ・ヘアに千載一遇のチャンスが巡ってきます。20-21ヨーロッパ・カップ決勝のビジャレアル戦。1-1の同点のまま延長戦でも決着が着かず。勝負はPK戦へともつれました。キーパーが主役となるPK戦。ここで止めることができれば、ユナイテッドにタイトルをもたらすことができる、そういう試合でした。しかし、デ・ヘアPKを1本も止めることができず、さらに最後は自らのPKを止められてタイトルを逃すことになります。

そして迎えた21-22シーズン。退団も予想されたデ・ヘアでしたがユナイテッドに残り、ポジションを奪い返すために戦う事を誓います。プレシーズンから気合十分のデ・ヘアは休暇返上でのトレーニングを志願していたとか。そして、ヘンダーソンの離脱もあり、開幕からゴールマウスに立ち続けるデ・ヘア明らかに昨シーズンとは違って見えます。シュートに対する集中力。ボックスから飛び出してのクリア、ビルドアップのパスなど、自身の足りない部分を見つめ直したかのようなパフォーマンスを見せています。セーブ率は昨シーズンの67.1%から77.8%へ。パス成功率は昨シーズンは77.1%でしたが、今シーズンはこれまで90.7%を記録しています。ボックスを飛び出してのクリアも何度か見せています。

そしてハマーズ戦。2-1の状況で94分、ボックス内でのショーのハンドを取られてPKの判定に。ここでハマーズはPK職人であるマーク・ノーブルを投入。PKが決して得意ではないデ・ヘア圧倒的に不利の中、ノーブルのシュートをデ・ヘアが完全に読み切って止めるという劇的な結末を迎えました。なおノーブルは直近の10回のPKをすべて成功させており、PK失敗が2016年12月以来約5年ぶりだった一方で、デ・ヘアプレミアリーグで21本連続でPKを決められており、2014年10月以来約7年ぶりのPKストップとなったそうです。ハマーズ戦のPKストップが起きる確率がどれほど低かったのか...。まさに奇跡と呼ぶにふさわしいPKストップでした。

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試合後デ・ヘア

「試合終了間際にPKをセーブし、チームを勝利に導き、ファン、チームメート、スタッフ、そしてチーム全員が一丸となったことは、言葉で表現するのが難しいほど素晴らしい瞬間だった」

と語っています。デ・ヘアもリンガード同様に、ハマーズ戦のことについて語っていますが、このコメントもまた、デ・ヘアがこれまで重ねてきた努力を考えると言葉以上の重みを感じますね。

デ・ヘアを称えるチームメイト達はこちら
(漢字の間違いによる違和感へのクレームは、公式サイトへお願いします(笑))

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👿まとめ

試合内容自体は決して褒められたものではありませんでしたし、マーティン・アトキンソンの不可解な判定には憤りもあります。アウェイ、そしてロンドン・スタジアムという難しい場所での戦いで、自分たちの思うようなプレーができなかったのも事実でしょう。ロナウドの先制ゴールは、またしても素晴らしいポルトガル代表コンビの連携でしたが、正直戦術面ではいくつか気になるところはありました

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しかしながら、リンガードのゴールで逆転し、デ・ヘアの劇的なPK阻止により得た勝利は、そういった戦術論が不必要な程にドラマチックでした。ハマーズ戦の振り返りの記事を、この2人のストーリーにフォーカスしたのはそのためです。まさにこの2人が与えてくれた勝ち点3。そう言っても過言ではないと思います。

ヤングボーイズ戦のミスから見事にバウンスバックし、素晴らしいメンタリティを示したリンガード。2列目は層が厚く、出番は限られたものになるかもしれませんが、ユナイテッドの一員としてチームに貢献したいというリンガードの想いは、チームにとっても頼もしく映ります。

そして今シーズンのデ・ヘアは、全盛期に戻ったというよりは、「生まれ変わった」という印象を受けるほど(オーレは「別人のようだ」と表現)、自身の課題を克服。進化しているように感じます。ヘンダーソンは戻ってきても、デ・ヘアからポジションを奪い返すのは容易ではないかもしれませんね。

今シーズン真価を問われる2人がヒーローとなったハマーズ戦。キャリアで苦しい時期を経験してきたからこそ、より輝いたパフォーマンス。まさにこれぞ「マンチェスター・ユナイテッド」であり、世界中のファンを魅了する所以だと思います。こういう勝利に理屈は不要。ただただ高揚感に浸るのが良いですね(笑)。

この結果ユナイテッドは勝ち点13を獲得。チェルシーリバプールと同勝ち点ですが、得失点差で3位となっています。アウェイ無敗記録は29に更新!

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21-22PL5 ハマーズvsユナイテッド スタッツ
出典:プレミアリーグ公式

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21-22PL5 試合結果
出典:ユナイテッド公式

次節はカラバオカップウェスト・ハム戦を挟んでプレミアリーグ第6節、オールドトラッフォードでのアストン・ヴィラ戦。9月25日(土)20:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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