マンチェスター・ユナイテッド大学

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【21-22カラバオ・カップ第3回戦】マンチェスター・ユナイテッドvsウェスト・ハム 4つのポイント

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

21-22カラバオ(EFL)・カップ初戦(第3回戦)、ホームでウェスト・ハム・ユナイテッド(ハマーズ)と対戦したユナイテッド。試合は立ち上がりから組織立った動きでウェスト・ハムがユナイテッド陣内に攻め込みます。9分にはランシーニがゴールを決めてハマーズが先制します。そこからユナイテッドも巻き返し、ハマーズを攻め立てます。後半にはグリーンウッドを投入し、決定機も迎えますが決められず。逆に終了間際にはカウンターからハマーズに決定的なシュートを打たれますが、ヘンダーソンがなんとかセーブし事なきを得ます。シュートを27本放ったユナイテッドでしたが、固いハマーズの守りを崩せず0-1で敗戦。悔しい初戦敗退となりました。

*試合のハイライトはこちら

www.manutd.com

今回はこの試合を4つのポイントで振り返りたいと思います。

以下項目です。

👿ラインナップ

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21-22EFLカップ ユナイテッドvsハマーズ ラインナップ

 

①立ち上がりのハマーズの狙い

前半9分、ランシーニのゴールで先制したハマーズ。多くのメディアがユナイテッドの立上りの低調なパフォーマンスを指摘していますが、ハマーズは明確な意図を持って試合に入り、結果的にこれが功を奏した形となりました。

ハマーズは開始からボールを左サイド(ユナイテッドの右サイド)に集中します。ビルドアップの場面では左CBのディオップが大きく左サイドにせり出します。これに対応するのはリンガードになります。そしてベン・ジョンソンを前へ出し、ジョンソン、マスアク、トップ下のランシーニが左サイドでオーバーロードを作りました。ユナイテッドはリンガードが吊り出されているので、対応はファン・デ・ベークとダロトの2人に。左で数的不利を作られ対応が後手になっていました。

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失点シーンは右からだったので直接これが関係したわけではないのですが、7分には左サイドからクラルに決定的なシュートを打たれています(バイリーがブロック)。ノーブル、クラルの中盤センター2人も左に入ってくることが多く、意図的に左のオーバーロードを狙い、ユナイテッドは対応に苦労し、これが立上りの「低調なパフォーマンス」として映っています。

実はこの作戦、3日前のPL5節の対戦で、後半ユナイテッドが使った作戦です。73分にリンガードとサンチョを投入したユナイテッドは、極端に左に人数を集めハマーズを押し込み、そこからリンガードの逆転弾に繋げています。もちろん確証はありませんが、カラバオモイーズはこれをやり返したのではないかと推測しています(笑)。9分に先制するまでは前からプレスをセットし、組織的に圧を掛けていましたが、先制後はあっさりリトリート→カウンター戦術に切り替えていました。このあたりもゲームプランと組織がしっかり準備出来ている印象を受けましたね。

 

②ファン・デ・ベーク躍動の理由

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この試合、最も印象的なプレーを見せたのがファン・デ・ベークでしょう。今シーズン2度目の先発、90分フル出場は初となりました。3列目としてマティッチとコンビを組んでプレーしたファン・デ・ベークは、ボックス・トゥ・ボックスとして攻守に渡って存在感を発揮しました。ボールタッチはチーム4位の82回、キーパス3本、ビッグ・チャンス・クリエイトを1回記録しています。ビルドアップの場面では、寄せられてもボールを奪われる事無く、縦パスや、展開のパス、ボックス内へのフリーランニングなど、これまでよりも格段に判断、プレースピード、インテンシティを上げたパフォーマンスでした。

この試合ファン・デ・ベークが躍動できた理由は

✅ファン・デ・ベーク自身の進化
✅システム構造のギャップ
✅周囲のサポート

の3点。

オフシーズンの間に筋肉増強を図り、プレミアでも戦える肉体改造をおこなったファン・デ・ベーク。見た目にも、昨シーズンより一回り大きくなった印象を受けます。プレシーズンマッチも含めた今シーズンの起用法を見るに、スールシャール監督はファン・デ・ベークを3列目の選手と位置付けているように思われます(今後はわかりませんけど...)。トップ下よりはデュエルの場面が多くなり、フィジカルコンタクトに耐えうる強さが必要です。今回のハマーズ戦では守備の面でも、ボールキープの場面でも自信を持ってデュエルに臨んでおり成長を感じさせました。その自信がボール保持の場面で落ち着きを与え、鋭いパスにも繋がっていた印象。グリーンウッドへの決定的なパスは素晴らしかったですね。

もう一つはシステムのギャップです。お互い4-2-3-1の為に、お互いボランチのところは1人浮く形になります。ファン・デ・ベークに正対したのは基本的にノーブルでしたが、ポジションを深く取る役割なので、ファン・デ・ベークは比較的ボールを持ちやすい環境にありました。もちろん局面ではランシーニがプレスバックしたり、後半は一時クラルがファン・デ・ベーク番をした時間帯もありましたが、ファン・デ・ベークの右サイドに出る(ダロトのポジションを埋める)動きも相まって、フリーになり易かったこともパフォーマンスを発揮できた要因でしょう。

もう一つは周りのサポート、連携です。ボックス・トゥ・ボックスのファン・デ・ベークに対して、深い位置で留まりバランスと取ったのがマティッチです。ファン・デ・ベークが3列目の時はマティッチと組むことが多いですが、プレースタイルの補完性と普段仲の良い関係ということもあって、マティッチはファン・デ・ベークをサポートするのに適任です。

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そして地味ながらマタの動きもファン・デ・ベークを支えていたと思います。マタはトップ下でしたが広範囲に動き、ファン・デ・ベークの縦パスを引き出したり、サイドに出てウィンガーの経由地点にもなっていました。この動きはファン・デ・ベークにとってありがたかった思います。

以上がファン・デ・ベーク躍動の理由ですが、良いパフォーマンスを見せても継続的に使われる保証がないのが辛いところです...。相方を選ぶ(マティッチ以外との相性は未知)ということもマイナスポイントではありますね...。

 

③スタメン選手評価

珍しく(笑)、11人全員をターンオーバーした試合でした。ざっくりですが、個々の選手評価もしておきます。ヘンダーソンは終盤に決定的シュートを2本セーブ。複数失点を防いだ素晴らしいセービングでした。バイリー、リンデロフのCBコンビも、集中し安定したパフォーマンスを披露。バックアッパーとして申し分ない出来でした。今シーズン初出場となったアレックス・テレスは試合開始直後に簡単に剥がされるシーンが続き、失点の大きな要因となりました。怪我明けだったので今後のコンディションアップに期待ですね。ダロトもファン・デ・ベーク同様に印象に残るプレーを披露。攻撃センスはやはり高いです。今回はマスアクという守備的なウィンガーが相手だったので、守備でも危ないシーンは作られませんでしたね。

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マティッチもキャプテンとして素晴らしいパフォーマンスを見せました。このポジションでキーパス3本は立派。ファン・デ・ベークとマタは上記を参照。リンガードも動き自体は悪くなく、豊富な運動量で攻撃を牽引しました。マタとのポジションチェンジは良かったと思います。サンチョもまずまずのパフォーマンスでした。シュート5本は最多。マルシャルとの連携できれいに崩したシーン(45分)は決めたかったところです。徐々にチームにも馴染んできましたね。

マルシャルはまたしても結果を残すことができませんでしたが、前半はテクニックを発揮し、コンビネーションの崩しに関与するシーンもありました。徐々にコンディションを戻しつつある印象ですが、後半は消えてしまいましたね。自信を失っているのは感じますが、なんとかキッカケを掴んでほしいです。

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スールシャール監督の意図

このように、選手個人別に見れば決してパフォーマンスが悪かったわけではありません。むしろグッドパフォーマンスだった選手が大半でした。それにも関わらず、同じくターンオーバー(PLから10人入替え)したハマーズに、ホームの72,000人のファンの前で14年振りに敗れ、おまけにシュート27本打って無得点、ビックチャンスわずかに1という結果に終わっています。攻めの姿勢は見せましたが、崩せていないという内容でした。

この根本原因はやはりスールシャール監督にあると言わざるを得ません。ご存じのようにスールシャール監督は戦術家ではありません。選手の個の能力を活かして相手を打ち破るスタイルです。今回も完全ターンオーバーして、この11人を選んだのは良かったのですが、そこには決定的に「どうやって点を取るのか?」という視点が欠けています。ゴールまでの道筋がデザインされていないので、言い方悪いですが、ただやみくもにシュートを打つという内容になっています。

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レギュラークラスならこれでも良いのです。ロナウドやブルーノ、ポグバやショーなどは、そういった戦略がなくても、即興で同じ絵を描いて局面を打開できる可能性が大いにあるからです。しかし、これをサブメンバーでやっても限界があります。特にハマーズのような組織が整備されているチームが相手ならなおさら厳しくなります

カラバオも、スペースメイクの上手いファン・デ・ベーク、マタ、リンガードを使いながらスペースに入り込む選手がいない、ダロトやテレスといったクロス精度の高い選手を入れながらトップにマルシャルを使うなど、選手特性と起用がちぐはぐです。個人的には「勝てた試合」という印象はなく、「負けて当然の試合」という少し辛目の評価です。

スールシャール監督はこの試合を「よし!この11人を選んだ!勝たせてやろう!!」ではなく、「この11人を選んだ。勝てるかどうか見てみよう...」という姿勢で試合に臨んだ印象を受けます。そして、これは幾度となく繰り返しているスールシャール監督の「悪癖」であり、改める必要がある、と思うのは私だけでしょうか?

 

👿まとめ

カラバオカップ初戦で敗退となったユナイテッド。選手のクオリティを数値化した場合、例えばこの試合のユナイテッドのスターティング・イレブンが75だったとします。そしてハマーズが60だと...。この場合、普通で考えればクオリティで上回るユナイテッドが勝利する可能性が高いはずです。しかし、このハマーズの60をどうにかして75を上回れればハマーズが勝つことも可能になります。あるいはユナイテッドの75が何かの作用で60以下になった場合も同様です。今回の試合では、明確なゲームプランと整備された組織的プレーでハマーズが70に持っていきました。そして、ユナイテッドは戦略の欠如とちぐはぐな選手起用で69になった、そんな試合です...。

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この敗戦を受けて、カラバオは敗退でOK」というコメントも結構見ました。その意見は最大限にリスペクトしますし、その考えもよくわかります。実際私も、例年ならそう言っていたと思います(ファギー時代などは明らかにリーグカップは捨ててましたしね(笑))。4つのコンペティションの中では優先度が一番低いのは明らかです。早々に敗退して他の大会にフォーカスしたほうがコンディション的にもメリットがありますし、勝ち進んでも、結局カラバオマスターであるシティ(過去8シーズンで6度優勝)が持っていくという算段もあります。

しかし今シーズンは、「この早期敗退は痛い...」という感想を持ちました。もちろんタイトルを目指す今シーズン、早くもその可能性を1つ失ったという事もあります。もう1つ、それはローテーション・メンバーに関してです。昨シーズンの課題として、ローテーション・メンバーのクオリティ不足というのがありました。それも踏まえて今シーズンはしっかりローテーションできる陣容を整えたはずです。そして、優先度の一番低いカラバオでそういったローテーション・メンバーにプレー時間を与え、試合の強度に慣れさせる必要があったはずです。さらに、そのメンバーの中にはキャリアの再起を掛けるメンバーが多くいます。リンガード、ファン・デ・ベーク、ダロト、マルシャル、ジョーンズなど...。

今回の敗退で、その機会が減ることになりました。もちろん長いシーズン、出番は回ってくるでしょうし、勝って次に進んでも、シティと当たって負けた可能性もありました(ハマーズはシティと対戦)。確かに少々大袈裟に言ってますが、プレミアや、CLでは彼らの出番はかなり限られると思います。一部で報道されているようにファン・デ・ベークやリンガード、マルシャルの冬での退団も現実味を帯びた、そう言っても良いかもしれません。そういった意味で重要な大会を逃した、私はそう思います

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21-22EFLカップ 試合結果
出典:ユナイテッド公式

まぁでも、言っても仕方ありません。切り替えて次の試合に集中してほしいですね。そしてスールシャール監督が、サブメンバーも上手く使いながらチーム力を上げていってくれることを期待しましょう!できれば戦術面も少し手を加えながら(笑)。

次の試合はPL第6節、オールド・トラッフォードでのアストン・ヴィラ戦。9月25日(土)20:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

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