マンチェスター・ユナイテッド大学

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【21-22PL第6節】アストン・ヴィラ戦に見るスールシャール・ユナイテッドの限界点【コラム】

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こんにちはMasaユナイテッドです。

 

21-22プレミアリーグ第6節 ホーム、オールド・トラッフォードアストン・ヴィラと対戦したユナイテッド。現状のベストメンバーで臨んだユナイテッドですが、前半からチャンスを作りながら判断ミス、精度不足でゴールを決まられない展開に。逆に守備のミスからヴィラに危険なシーンを作られるなど苦しい前半となります。34分にはショーが負傷のため交代するアクシデントが発生。後半は勢いを増したヴィラに攻め込まれる時間が続き、66分にはキャプテンのマグワイアも負傷でピッチを後にするトラブルに見舞われます。そして88分にヴィラのコーナーからハウスにヘディングシュートを決められ先制を許してしまいます。ユナイテッドは試合終了間際にカバーニのシュートがハウスの手に当たりハンド、PKの判定を得ます。しかし、このPKをブルーノが失敗。ユナイテッドはホームで0-1で敗戦。今季リーグ戦初黒星を喫しました。

*試合のハイライトはこちら

www.manutd.com

今回は、この敗戦で批判を受けているスールシャール監督に関するコラムです。スールシャール監督の問題点はどこなのか?このままでタイトルは取れるのか?現時点での個人的な考えをまとめました!

以下項目です。

👿ラインナップ

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21-22PL6 ユナイテッドvsヴィラ ラインナップ

 

①ヴィラ戦の問題点

11人全員をターンオーバーして臨んだカラバオカップのハマーズ戦。27本のシュートを放ちながら無得点に終わり、ホームで0-1の敗戦を喫しました。あれから中2日で迎えたプレミアリーグのヴィラ戦。現状のベストメンバーに戻して挑んだ1戦でしたが、カラバオカップ同様にシュートを28本打ち無得点...ホームで手痛い敗戦を喫しました。

ヴィラ戦のユナイテッドは前半からミスや噛み合わないシーンが続きます。守備の面でも簡単にギャップを作られたり、ショーやマグワイアなどの対応ミスから危ないシーンを作られるなど「すべてが上手くいかない試合」...そういった印象でした。

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この試合の問題点は色々あります。戦術面、選手の配置、選手のメンタル面...多岐にわたる問題が噴出した試合でもありました。しかし、問題の根本は戦術面に関してだと思います。中でも組織的プレスの欠如とビルドアップに大きな問題が見られます。今シーズンのユナイテッドは開幕からそれなりに結果を残していますが、毎試合のように守備の面で安定感を欠いています。これは単に中盤センターの問題や、バックラインだけの問題だけではなく、組織的にプレスが掛かっていない事が大きな要因です。相手のビルドアップに対して前線が中途半端なプレスしか掛けないので、簡単にボールの前進を許し、結果、うしろも狙いどころが設定できないため全体のラインが下がります。デュエルの場面でも後手を踏むことになるので、相手の侵攻を止められずシュートまで持っていかれてしまう。そんなシーンが目立っています。

ユナイテッドのビルドアップに関しては、以前に記事にも書いたように構造的な問題を抱えています。

*記事はこちら

manchesterutddaigaku.hatenablog.com

ヴィラは、ユナイテッドのビルドアップに対してしっかりプレスをセットしてきた上に、システム的にも噛み合っていたこともあり、ユナイテッドのビルドアップはより難しいものになりました。第2プレスラインを掻い潜れれば、ヴィラの後方には比較的スペースがあり、ユナイテッド的にはそこをスピードで突く事は有効な手段だったと思います。しかし、ビルドアップが上手くいかない為に、そのスペースを使うにはポジティブ・トランジッションで素早く攻めるしかありませんでした。その事が攻撃を急がせ、結果的に前線だけでフィニッシュへ持ち込もうとする意識が強く、中盤が付いて行けずに陣形が間延びすることに繋がっていきます。それでも、フィニッシュが決まれば問題なかったのですが、グリーンウッドやブルーノ、ポグバもファイナルサードでの判断、精度に欠けたことが試合を難しくした要因の1つでもあります。

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もちろん、結果的にはヴィラのゴール時の判定(オフサイド、ファールがあった)や、ショーとマグワイアを怪我で失い、そこで交代カードを使い修正が難しかったこと。そして、ブルーノのPK失敗が大きな敗因となったのは事実です。しかし、私は敗戦の根本に、戦術的な不備があると感じましたし、これは監督、コーチの責任領域であるのは言うまでもありませんね。

 

スールシャールの問題点

前項で見たように、ヴィラ戦の苦戦の要因には、プレスとビルドアップというチームの土台をなす部分の問題があります。そしてこれはスールシャール監督が指揮する3年の間、ずっと消えない課題でもあります。もちろん、上手くいく試合もあります。前線からしっかりプレスを掛け、攻守にコンパクトさを保って試合の主導権を握れる試合もあります。しかし、それは選手個人の意識に依存していることで、チームとして用意してできている事はほとんどありません

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シティやリバプールチェルシーの試合を見れば、どんな相手にもしっかり連動してプレスを掛け、お互いにフォローするポジションを取りながらビルドアップしていることがわかります。そしてその事が陣形をコンパクトに保ち、攻守両面で機能する土台となっています。

いくらスールシャールが戦術家タイプではなくて、選手の個の能力を活かすスタイルだからといって、組織的プレスやビルドアップを整備しなくても良いとはなりません。個の能力を活かすにしてもここが整えば、もっと個が活きてくるはずです。しかしながら、スールシャールは就任以来の3年間、ここの改善をしてきませんでした

確かに適応できない選手を放出し、若くて将来性の高いアカデミー選手を重用。ブルーノやマグワイアを始め能力の高い選手を補強しスカッドを整え、毎シーズン着実にチーム力を上げてきたのは事実であり、その面に関しては評価されるべきだと思います。しかしながら、たまに戦術的な準備をしっかり行い強豪を撃破する試合はあっても、ピッチ上で見られる基本戦術の改善があまり見られないのも事実です。

今シーズンタイトルを目指すユナイテッドは戦力アップに成功し、スールシャールの監督としての手腕にも期待していました。理想的な戦力を用意してもらい、これまではクオリティの面でやりたくてもできなかった事が今シーズンはできると...。しかしながら、直近の公式戦4試合で3敗...21-22シーズンの開幕からここまで、期待されたような指揮官としての成長や、チームの課題にたいする対策もほとんど見られません。唯一、セットプレーコーチのエリック・ラムジー氏を招集し、セットプレーの改善が見られるぐらいでしょうか...?解任論が出るのは当然であり、戦力が整っている分、今シーズンの躓きは昨シーズンまでのものより重く受け止めるべきだと思います。

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③補強がもたらした副作用

今シーズン開幕前の移籍市場でヒートン、サンチョ、ヴァラン、ロナウドとワールドクラスの選手を迎え入れたユナイテッド。ウィング、センターバック、ストライカーと昨シーズンからの補強ポイントにしっかりテコ入れをしました。中盤センターも補強が必要でしたが、資金的にも現有戦力的にも夏での補強は見送りましたが、理想に近い陣容が整ったはずです。

しかし、この事がもたらした「副作用」があるのではないかと個人的に考えています。まずはロナウドがもたらした副作用です。ロナウドは加入以降4試合4ゴール。その効果は絶大で、正真正銘の勝者のメンタリティを持つロナウドの影響力は凄まじいものがあります。ピッチ上では、早くも前線の柱としての役割をこなしており、ブルーノを始め、ポグバやグリーンウッド、サンチョなどもロナウドを意識したプレーが見られます。それだけ頼りになる存在ですし、ロナウドの加入に刺激を受けて周りの選手たちは「勝とう、タイトルを取ろう」という意識が強くなったと思います。

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しかし、ヴィラ戦はこれが裏目に出ました。前線の選手はゴールを急ぐあまり、自分がやるんだという意識が強いあまり、独善的なプレーが多く、コンビネーションプレーやフリーの味方を使うプレーが少なくなりました。さらに素早いトランジッションで攻めたいという思いも相まって、余計に攻め急いだ印象もあります。簡潔に言えば「気持ちの強さが空回りした」という事です。しかし、このような前線の選手の意識改革は、まさにロナウドがもたらした副作用と言え、時間と共に落ち着き解決する問題だと思っています。

それよりもスールシャール監督にもたらされた副作用の方が厄介です。理想的な補強の結果、スールシャール監督は戦術面の対策や改善を軽視する方向へいっています。これは考えれば当然で、個で打ち破るスタイルのスールシャールのサッカーにおいて必要なのは、より能力の高い選手であり、これさえ手に出来ればタイトルへと近づくと考えることができます。つまり、補強の成功により、戦術がより必要なくなったと考えていても不思議ではないのです。

まぁそれは極端な考えだったとしても、戦術を整備する事が個の能力を発揮することの妨げになると考えている可能性はあります。しかし、私が言っている戦術とは何もペップやトゥヘルのような、理詰めの戦術マニアレベルを求めているのではありません。前述したように組織的なプレスだったり、ビルドアップの工夫だったりといったごくごく基本的なレベルです。

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この副作用はスールシャールの信念も相まって解除するのが難しいかもしれませんね。オーレを副作用から目覚めさせるには、今回のような敗戦をあと何回繰り返す必要があるのか...それは神のみぞ知る、です...。

 

スールシャールの未来

先にも書いたように、今シーズンの躓きは重く受け止める必要があります。他のチームだったらクビになっている可能性も大いにあるレベルです。先に書いておくと、私自身、このような危機感を感じていながら「はい!オーレはもうダメ!解任!!」と言い切れるほどまだ考えがまとまってません。なので、現時点ではスールシャール擁護派の方の意見も解任派の方の意見も尊重する立場を取らせて下さい。

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まず、現状として、リーグ戦においてはまだ、今季初黒星を喫しただけであり、首位リバプールと勝ち点1差だという事実から、現段階での解任というのは考えにくいと思っています。ましてや、今シーズン開幕前に監督は契約を2024年まで延長しています。これから訪れる強豪との連戦で成績が振るわず、今シーズンのタイトルが絶望的となって初めて解任へと動き出す、というのが現実的かと思います。

では今後、どうすればパフォーマンスを上げ、周囲の納得する結果を残せるのか。この事を考える必要があります。まず、これは多くの方が言っているように戦術コーチを招聘する方法が1つ。これは、長期的に見れば効果的な方法ですが、よほど優秀な人材を連れてこない限り、チームへの落とし込みには時間が掛かるというデメットがあります。

現状で出来る事とすればスカッドの人材をより適材適所で使う事です。確かにヴィラ戦のスタメン11人は現状のベストメンバーです。しかし、再三言っているように能力の高い11人を並べれば勝てるほどサッカーは単純ではありません。ヴィラ戦で言えば、攻め急いでいて、中盤と前線が分断され、スローダウンさせる必要があるならば、リンガードやファン・デ・ベークなどチームを上手く「接着」できる選手を使ったほうが良い場合もあります。また、ボールを持って時間を作れるサンチョを使うなど...。試合展開によって、そいった臨機応変な対応をすることも効果があると思います(ヴィラ戦はショーとマグワイアの負傷交代でカードを切れなくてできなかった面もあります)。

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しかし、このどちらの方法も当のスールシャールに問題意識と改善の意志がなければ意味がないのは言うまでもありません。そして、このいつまでたってもなされない改善の為に「3年我慢したのだからもうオーレは解任した方が良い」という意見もわかります。ヴィラ戦にしても、スローダウンさせる必要があるなら、試合後のインタビューで言うだけでなくハーフタイムに修正するべきであり、それが監督の仕事です。試合後のインタビューで

我々は、時に試合をスローダウンさせるべきだったし、できたはずだ。しかし、スピードとスキルを備えたトランジションに長けたアタッカーがいる場合、その判断を急いでしまう場合もある。

と語っていますが、これはニュアンス的には選手へ丸投げしている言い方と捉えられてもおかしくないです。今シーズンのスールシャール監督は敗戦時のインタビューにも精彩を欠いてる印象を受けます。問題の「本質」には言及せず、選手の責任を匂わせるという解任間近の監督に見られる傾向を示しているように思います。

この先上手く修正し、再び上昇気流に乗れるのか、それともこのままズルズルと後退し解任となってしますのか、現時点ではわかりません。しかし、スールシャールは、ペップ、トゥヘルやクロップの土俵ではない。そのためにトップ4入りすら怪しい」という今シーズンの開幕前に多くの有識者が言及した事が現実になる、そういう屈辱的な未来だけにはなってほしくないと思います。

個人的には「ここがスールシャール・ユナイテッドの限界点かもしれない...」という想いと、「いや、まだ改善できるはずだ」という想いが交差したアストン・ヴィラでした。

レジェンド監督でタイトルを取るというロマン溢れる物語はまだ続くのか…。それともこの章で終わるのか…今後の展開を見守りたいと思います。

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21-22PL6 ユナイテッドvsヴィラ スタッツ
出典:プレミアリーグ公式

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21-22PL6 試合結果
出典:ユナイテッド公式

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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